シミ・そばかすに悩む前に
ある日の朝、洗面台の鏡でふと気づく。
昨日まで気にならなかった頬のシミが、なんとなく濃くなっている気がする。
そんな経験はないでしょうか。
シミというのは、急に現れるものではありません。
紫外線のダメージは何年もかけて蓄積され、ターンオーバーの乱れや肌の炎症が重なるうちに、ある日いきなり目に見える形として現れます。
気づいたときには「もうずっと前からここにいたのかもしれない」という感じ。そういうものです。
一方で、10代のころからそばかすがある方もいます。
小さくて、散らばっていて、どこかチャーミングな印象もある。
実際に「そばかすが好き」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
ただ、SNSで加工された「毛穴もシミも何もない肌」が当たり前のように流れてくる今の時代、そばかすひとつでコンプレックスになってしまう方も少なくない。
正直、少し辛い時代だなと思います。


シミ・そばかすに悩む前に
ある日の朝、洗面台の鏡でふと気づく。
昨日まで気にならなかった頬のシミが、なんとなく濃くなっている気がする。
そんな経験はないでしょうか。
シミというのは、急に現れるものではありません。
紫外線のダメージは何年もかけて蓄積され、ターンオーバーの乱れや肌の炎症が重なるうちに、ある日いきなり目に見える形として現れます。
気づいたときには「もうずっと前からここにいたのかもしれない」という感じ。そういうものです。
一方で、10代のころからそばかすがある方もいます。
小さくて、散らばっていて、どこかチャーミングな印象もある。
実際に「そばかすが好き」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
ただ、SNSで加工された「毛穴もシミも何もない肌」が当たり前のように流れてくる今の時代、そばかすひとつでコンプレックスになってしまう方も少なくない。
正直、少し辛い時代だなと思います。
このページは、当院がこれまでシミ治療を行ってきた経験をもとに書いています。
シミには多くの種類があり、見た目が似ていても治療法がまったく異なるケースがあります。
間違った治療を選んでしまうと、シミが悪化することもある。
だからこそ、まず「どんなシミなのか」を知ることが、治療の第一歩です。
福岡・天神でシミ治療をご検討の方に、このページの情報が少しでも役に立てば幸いです。
本施術ページの監修医師
本施術ページは、医師が医学的観点から監修しています。

分山 博文(わけやま ひろふみ)
医療法人茜会 理事長/美容皮膚科 トータルスキンクリニック院長(福岡天神院・松山院)
シミといっても、一種類ではない

「シミを取りたい」とご相談にいらっしゃる患者さんのほとんどが、シミをひとまとめに捉えていらっしゃいます。無理もありません。
見た目はどれも「茶色い色素の塊」に見えるからです。
ただ、実際には種類がまったく異なります。
原因が違い、できる深さが違い、当然ながら治療法も違う。
さらに厄介なことに、複数の種類が同じ顔に混在していることも珍しくありません。
当院でも毎日シミの診察をしていますが、「これ、何のシミだろう」と立ち止まるケースは今でも日常的にあります。
まずは代表的なシミの種類と、それぞれの特徴を整理します。
代表的なシミの種類と、それぞれの特徴
老人性色素斑(日光黒子)
──もっとも多い「ザ・シミ」
.jpg)
シミの中でもっとも頻度が高いのが、老人性色素斑です。日光黒子とも呼ばれます。
紫外線を長年浴び続けることでメラニンが過剰につくられ、ターンオーバーで排出しきれなくなったものが蓄積して現れます。
形は円形で、輪郭がはっきりしています。
色は薄い褐色から濃い茶色までさまざまで、顔・手の甲・腕など、日光があたりやすい部位にできます。
20代後半からうっすら現れはじめ、年齢とともに色が濃くなり、数も増えていく傾向があります。
進行すると表面がざらついてきて、脂漏性角化症(後述)へ移行することもあります。
レーザーへの反応が出やすいシミです。
ただし日本人の肌は炎症後色素沈着が出やすいため、治療後のケアが非常に重要になります。
そばかす(雀卵斑)
──遺伝・紫外線がつくる小さな斑点
.jpg)
両頬から鼻にかけて、細かい斑点が散らばるように現れるのがそばかすです。
雀の卵の殻に似た模様から、雀卵斑とも呼ばれます。
老人性色素斑と違うのは、遺伝的な素因が強く関係している点です。
早い方では3歳ごろから現れ、思春期にかけて目立ちます。
また、紫外線の影響を受けやすく、夏に濃くなり冬に薄くなるという季節変動があるのも特徴です。
大人になるにつれて薄くなることが多いものの、体質や紫外線の浴び方によっては成人後も残ります。
治療にはIPLやルビーフラクショナル、スポット照射(ピコスポット、Qスイッチ、ルビー)が有効です。
IPLやルビーフラクショナルならダウンタイムを抑えながら対応できます。
ただし、根本的な体質は変わらないため、紫外線を浴び続けると再発しやすい面もあります。
「そばかすが好きなので取らなくてもいい、でも将来シミにならないか不安」という方のご相談も実際にあります。
そういったご不安も含め、カウンセリングでお話しします。
肝斑(かんぱん)
──モヤっと広がる、女性に多いシミ
.jpg)
頬骨のあたりから目の下にかけて、もやっとした境界の不明瞭な色素斑が左右対称に現れるのが肝斑です。
30〜50代の女性に多く、女性ホルモンの変動、紫外線、摩擦などが複合的に関与しています。
妊娠中やピル服用中に濃くなることもあります。
閉経後に薄くなる傾向があることから、ホルモンの影響が大きいとみられていますが、詳しいメカニズムはまだわかっていません。
肝斑がシミ治療を難しくする最大の理由は、強い刺激で悪化するという点です。
通常のシミに有効なスポット照射を肝斑に当ててしまうと、逆に色が濃くなることがある。
これがシミ治療における「誤診の代償」です。
肝斑が隠れていることに気づかずにレーザー治療を行うと、満足のいく結果が得られないどころか、治療前より状態が悪化するケースもあります。
だからこそ当院では、シミ治療の前に必ず肌診断機で肝斑の有無を確認します。
詳しくは後述します。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
──深いところにある、アザに近い色素
.jpg)
ADMはAcquired Dermal Melanocytosisの略で、日本語では後天性真皮メラノサイトーシスと呼びます。
名前は複雑ですが、一言でいうと「皮膚の深い層(真皮)にメラニンをつくる細胞が入り込んでしまった状態」です。
厳密にはシミではなく、アザの一種に分類されます。
見た目は、頬骨あたりや目の下に、グレーがかった小さな点状の色素が左右対称に散在します。
肝斑やそばかすと見た目が似ているため、混同されやすい病態のひとつです。
20〜30代で現れることが多く、遺伝との関連が指摘されていますが、詳しい発症メカニズムはまだわかっていません。
治療にはスポット照射といった、真皮まで届く強めのレーザーが必要です。
逆に、IPLやトーニング(ピコトーニング、レーザートーニング)では効果がありません
治療後に一時的に色が濃くなる時期があり、「悪化した」と感じやすいですが、その後ゆっくり薄くなっていく経過をたどります。
効果が出るまでに半年〜1年以上かかることも珍しくなく、焦らず経過を見ることが重要です。
また、肝斑とADMが同じ顔に合併しているケースもあります。
その場合の治療方針は慎重な判断が必要です。
治療には複数回のスポット照射(ピコスポットまたはルビースポット)が必要になります。
1回の照射で完結することはほぼなく、色素沈着が十分に落ち着いてから次の照射に進むのが基本です。
焦って間隔を詰めると、色素沈着が重なり合って収拾がつかなくなることがある。
「1回で終わる治療ではない」ということは、最初にしっかりお伝えするようにしています。
炎症後色素沈着(PIH)
──ニキビや施術後に残る色の跡
.jpg)
炎症後色素沈着、英語ではpost-inflammatory hyperpigmentationといい、PIHと略されます。
皮膚が何らかの炎症を起こした後に、その部位にメラニンが沈着して残る状態です。
ニキビ跡がもっとも身近な例ですが、傷・虫刺され・かぶれ・施術後の反応なども原因になります。
日本人を含む色素の濃い肌タイプは、色素の薄い肌と比べてPIHが出やすく、かつ消えるまでに時間がかかります。
半年から1年以上かかることも少なくありません。
シミ治療においてとくに重要な点は、「シミを取ろうとした治療がPIHを引き起こす」リスクがある、ということです。
強いレーザーでシミをしっかり反応させれば取れやすい。
しかしその分、炎症が起きてPIHとして色素が再沈着するリスクも上がります。
このトレードオフこそが、日本人の肌でシミ治療を難しくしている本質的な理由のひとつです。
脂漏性角化症
──イボ状に盛り上がった加齢性変化

老人性色素斑が長年の紫外線ダメージを受け続けた結果、表面がざらつき、イボ状に盛り上がってきたものを脂漏性角化症といいます。
老人性イボとも呼ばれます。
色は薄い茶色から黒みがかったものまで幅広く、触るとザラザラした質感があります。
良性の変化であり、健康上の問題は基本的にありません。
ただし、急に数が増えたり、かゆみを伴う場合は念のため皮膚科での確認をお勧めしています。
通常のシミ取りレーザーでは対応できないため、当院ではCO2(炭酸ガス)レーザーを用いることで、脂漏性角化症やホクロへの対応も行っています。
詳しくは後述します。
シミといっても、一種類ではない
──「取れない」ではなく「取ってはいけない」場合がある

シミ治療で怖いのは、「取れなかった」ことよりも「取ってはいけないものを取ろうとした」ことです。
見た目がシミに似ていても、まったく性質の異なる病態が混じっていることがあります。
美容医療の領域では見落としやすいこうした病態について、正直にお伝えしておきます。
代表的なシミの種類と、それぞれの特徴
ホクロ(色素性母斑)
──シミと似ているが、別物
.jpg)
ホクロは色素性母斑とも呼ばれ、メラニンをつくる細胞(メラノサイト)が皮膚の中に集まったものです。
老人性色素斑と見た目が似ていることがありますが、組織的にはまったく別物です。
平らなホクロと盛り上がったホクロがあり、色も茶色から黒まで幅があります。
シミと見分けるポイントは、輪郭がはっきりしていること、触るとわずかに盛り上がっていること、色が均一であることなどです。
当院でのホクロ治療はCO2レーザーで対応しており、5mmまでを目安としています。
それ以上の大きさのもの、形が不整なもの、色にムラがあるものについては、後述する理由から慎重に対応しています。
悪性黒色腫(メラノーマ)
──見逃してはいけない病態
.jpg)
悪性黒色腫は、メラノサイトが悪性化した皮膚がんです。
頻度は高くありませんが、進行が速く転移リスクもあるため、見落としが許されない病態です。
見た目の特徴として、国際的にはABCDEルールと呼ばれる基準が知られています。
Asymmetry(形の非対称性)、Border(輪郭のギザギザ)、Color(色のムラ)、Diameter(直径6mm以上)、Evolution(短期間での変化)——これらが当てはまるほど注意が必要です。
ただ、これはあくまで目安であり、これに当てはまらない悪性黒色腫もあります。
美容クリニックにシミ取りとしてご来院される方の中に、稀にこうした病態が混じっていることがあります。
当院では悪性が疑われる場合や診断に迷う場合は、保険診療の皮膚科に速やかにご紹介しています。
美容クリニックで無理に対応すべき領域ではありません。
基底細胞癌
──黒いシミのように見える皮膚がん

基底細胞癌は、皮膚の表皮の基底層から発生する悪性腫瘍です。
転移することは少ないものの、放置すると局所で深部に浸潤するため、適切な外科的治療が必要です。
見た目は黒〜褐色で、光沢を帯びた隆起を伴うことが多く、シミやホクロと見分けがつきにくいことがあります。
顔面、とくに鼻や目の周囲に発生しやすい傾向があります。
こちらも、疑わしい所見があれば美容クリニックでの処置は行わず、皮膚科への受診をお勧めしています。
当院の対応方針
──迷ったら、保険診療の皮膚科へ

シミ治療の経験をどれだけ重ねても、「診断に迷う瞬間」がゼロになることはありません。
これはシミ治療の奥深さでもあり、謙虚さを保ち続けなければいけない理由でもあります。
当院では診断に迷うケース、悪性の可能性が否定できないケースについては、速やかに保険診療の皮膚科専門医にご紹介しています。
「美容クリニックで取ってしまえばいい」という判断はしません。
取り返しのつかない結果を避けるために、この線引きは当院として大切にしていることです。
受診いただいた際に「今日はシミ取りができません」とお伝えすることがあるとすれば、多くの場合こうした判断によるものです。 ご了承いただければ幸いです。
日本人の肌でシミ治療が難しい理由
「シミ取りをしたら、前より黒くなった」という話を聞いたことはないでしょうか。
治療の失敗ではなく、日本人の肌の性質からくる反応です。
シミ治療に入る前に、ぜひこの話を知っておいてほしいです。
色素沈着が出やすい肌という特性

人の肌の色はフィッツパトリック分類というスケールで表されます。
色白のヨーロッパ系がタイプⅠ〜Ⅱ、日本人の多くはタイプⅢ〜Ⅳに該当します。
この中間的な肌色こそが、シミ治療でもっとも難しいゾーンです。
色素の薄い肌はレーザーへの反応がおとなしく、炎症後色素沈着(PIH)が出にくい。
色素の極めて濃い肌は、もともとメラニンが多く分布しているため、逆に変化が出にくい側面もある。
日本人の肌は、その中間にあたるタイプⅢ〜Ⅳで、「レーザーへの反応は出やすいが、同時に炎症後色素沈着も出やすい」というトレードオフの位置にあります。
英語圏の論文でも、アジア系患者に対するレーザー治療では色素沈着リスクへの注意が繰り返し強調されています。
日本人のシミ治療が難しいのは、医師の技量の問題だけではなく、肌の性質として避けがたい側面があるからです。

強い治療ほどよく取れるが、反動も大きい

シミに対するレーザーの作用強度には、おおまかな序列があります。
当院での経験をもとに整理すると、以下のようになります。
作用が強いほど、茶色や黒といったメラニン色素への反応は大きく、一度の治療で取れやすくなります。
ただし同時に、炎症後色素沈着のリスクも上がります。
「強い治療で一気に取る」か「弱い治療で時間をかけて薄くしていく」か——この選択は、シミの種類・深さ・肝斑の有無・患者さんが許容できるダウンタイム・色素沈着リスクへの許容度、これらをすべて考慮したうえで決めるものです。
どの治療が「正解」かは、一律には決まりません。
| 強度 | 治療名 | パルス幅 | メラニンへの反応 | PIH(色素沈着)リスク | ダウンタイム | 主な適応 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 弱 ① | ピコトーニング | ピコ秒 | + | 低い | ほぼなし | 肝斑・くすみ(肝斑の刺激を最小限にしたい場合) |
| 弱 ② | レーザートーニング | ナノ秒 | + | 低い | ほぼなし | 肝斑・くすみ(当院がトーニングで第一選択とする治療) |
| 中 ③ | IPL | 広帯域光 | ++ | 低い | ほぼなし | 薄く散在するシミ・そばかす・赤み・くすみ |
| 中 ④ | ルビーフラクショナル | ナノ秒(点状) | +++ | 僅かにあり | 数日(赤み・乾燥) | 広範囲のそばかす・薄い老人性色素斑・肌質改善 |
| 強 ⑤ | ピコスポット | ピコ秒 | +++++ | やや高い | 1週間前後(かさぶた) | 老人性色素斑・ADM・色素沈着リスクを抑えたいケース |
| 強 ⑥ | Qスイッチスポット | ナノ秒 | +++++ | 高い | 1週間前後(かさぶた) | 色の濃い老人性色素斑・ピコスポットで反応が不十分なケース |
| 強 ⑦ | ルビースポット | ナノ秒 | ++++++ | 高い | 1〜2週間(かさぶた) | ADM・色の濃いシミ(適応を慎重に選ぶ) |
| ※この序列は当院での臨床経験をもとにした目安です。機器の設定・照射条件・肌の状態によって変わります。 肝斑がある方へのIPL以上の照射は原則禁忌です。 ※便宜上IPLも含めておりますが、厳密にはIPLはレーザーではありません。 | ||||||
それでもゼロにはならない、診断の難しさ

毎日シミの診察をしていても、「このシミはどう判断すべきか」と迷うことがあります。
老人性色素斑と肝斑が混在しているのか、ADMが隠れているのか、炎症後色素沈着なのか。
肌診断機を使っても、最終的には経験と総合的な判断が必要になる場面があります。
当院では、開業以来シミ治療において鶴舞公園クリニックの深谷先生にご指導いただいております。
また、最近ではポノクリニックの芝先生にご意見をうかがうこともあります。
ひとりの医師の判断だけで完結させるより、経験豊富な先生方の視点を借りる方が、患者さんにとって誠実だと思っています。
シミ治療に「簡単なケース」はあっても、「絶対に迷わないケース」はない。それくらいの認識で臨んでいます。
治療前に肌診断を行う理由
当院では、シミ治療を希望される方に対して、施術前に肌診断機での撮影をお勧めしています。
必須ではありません。ただ、肌診断機を使うことで治療の精度が上がる場面があり、
とくにシミ治療においては「やっておいてよかった」と感じることが多い検査です。
肝斑の見落としが、治療失敗の最大原因になる

肌診断機がシミ治療でもっとも力を発揮するのは、肝斑の検出です。
肝斑は、通常の照明の下では気づきにくいことがあります。
老人性色素斑や炎症後色素沈着に隠れて、薄く広がっている肝斑が見落とされるケースは、決して珍しくありません。
肌診断機の特殊光(UV光など)を使うと、肉眼では判別しにくい肝斑の分布が浮かび上がります。
前述のとおり、肝斑があるにもかかわらずスポット照射などの強い治療を行うと、悪化するリスクがあります。
「シミ取りをしたら前より濃くなった」という経験をお持ちの方の中に、見落とされた肝斑が原因だったケースが少なくないと思っています。
肌診断機は、こうしたリスクを事前に回避するためのツールです。

当院の肌診断機について

当院ではシミ治療の前に肌診断機による撮影を行っています。
使用しているのはCANFIELD社のVISIA(ビジア)です。
VISIAは皮膚科・美容皮膚科領域で世界的に広く使われている肌解析システムで、通常の照明では見えにくい肌の状態——肝斑の分布、メラニンの蓄積、毛穴の状態、皮脂の分布など——を複数の照射モードで可視化できます。
撮影自体は数分で終わります。
その画像をもとに医師が診察を行い、「何のシミか」「どの治療が適切か」「肝斑が混在していないか」を判断したうえで、治療方針をご説明します。
VISIAの画像は、治療後の経過比較にも使います。数ヶ月後に同じ条件で撮影することで、肉眼ではわかりにくい改善の程度を客観的に確認できます。
「なんとなく良くなった気がする」ではなく、変化を画像で確認できる点は、治療を続けるうえでの安心感につながります。
繰り返しになりますが、VISIAによる肌診断はシミ治療に必須ではありません。
ただ、使うことで治療の精度と安全性が上がる場面があります。
当院ではシミ治療をご希望の方にはお勧めするようにしています。

当院で行うシミ治療の選択肢

開業当初はピコスポット一択だった
当院がシミ治療を始めた開業当初、手元にあるレーザーはピコスポットだけでした。
機械の選択肢がないぶん、「このシミにピコスポットをどう使うか」だけを考えていた時期です。
その後、機械が少しずつ増えました。IPL、ルビーフラクショナル、CO2レーザー、ニードルRF—選択肢が増えるほど、治療の幅が広がる一方で、「どれを選ぶか」の判断がより重要になってきました。
今は、患者さんのシミの種類・深さ・肝斑の有無・ライフスタイルに合わせて、複数の選択肢の中から提案できるようになっています。
現在、シミ関連のお悩みで来院される方は1日10名前後。当院の診療の中でもっとも件数が多いカテゴリのひとつです。
また、当院は九州でもいち早くシミ取り放題のプランを導入したクリニックのひとつです。
老人性色素斑だけでなく、脂漏性角化症やホクロも対象に含めた形で提供しており、数が多い方に対して費用面での負担を抑えられるようにしています。
福岡でシミ取りの費用を抑えたい方にとって、選択肢のひとつとして参考にしていただければと思います。
スポット照射
(ピコスポット・Qスイッチスポット・ルビースポット)
──シミにピンポイントで反応させる

スポット照射は、気になるシミに直接レーザーを当て、メラニン色素を破壊する治療です。
照射後は一時的にかさぶたになり、1週間前後で剥がれ落ちる経過をたどります。
シミの色が濃いほどレーザーへの反応が出やすく、1回で大きく改善することも少なくありません。
当院ではピコスポット、Qスイッチスポット、ルビースポットの3種類があります。
ピコスポットは、パルス幅(レーザーの照射時間)がピコ秒という極めて短い単位で照射されます。
照射時間が短いぶん周囲の組織への熱ダメージが少なく、使いこなすことができれば、Qスイッチスポットに近い反応を引き出しながら炎症後色素沈着のリスクを抑えられます。
当院がもっとも頻繁に使うスポット照射です。
Qスイッチスポットは、ナノ秒という単位で照射するレーザーです。
ピコスポットよりパルス幅が長いぶん熱作用が大きく、メラニンへの反応はしっかり出ます。
色の濃い老人性色素斑や、ピコスポットでは反応が物足りないケースに使うことがあります。
ルビースポットは、694nmという波長のレーザーで、ADMや色の濃いシミへの親和性が高い照射です。
ただし反応が強く出やすく、炎症後色素沈着のリスクも相応に高いため、当院ではよほどの適応がないかぎり積極的にはお勧めしていません。
「取れやすさ」と「色素沈着リスク」のバランスを考えると、多くのケースではピコスポットで対応できると思っているからです。
IPL
(カスタマイザーIPL)
──散在する薄いシミ・そばかすに

IPLはIntense Pulsed Lightの略で、特定の波長に絞ったレーザーとは異なり、複数の波長を含む光を広範囲に照射する治療です。
シミ・そばかす・赤みをまとめて改善しやすいのが特徴です。
スポット照射のようにかさぶたが大きくできることは少なく、ダウンタイムが短い点が利点です。
一方で、メラニンへの作用強度はスポット照射より控えめなため、色の濃いはっきりしたシミよりも、薄く散在するシミやそばかす、くすみ感の改善に向いています。
ただし、肝斑がある方へのIPL照射は慎重な判断が必要です。
肝斑に対してIPLを当てると悪化するリスクがあるため、肌診断で肝斑の有無を確認してから治療方針を決めることが前提になります。
トーニング
(ピコトーニング・レーザートーニング)
──肝斑・くすみに弱い出力で繰り返す

トーニングは、低出力のレーザーを顔全体に均一に照射する治療です。
1回の照射でシミを反応させて取るものではなく、回数を重ねることでメラニンを少しずつ減らし、肌のトーンを底上げしていく治療です。
肝斑治療でとくに重要なのは、「均一に照射すること」と「強く当てすぎないこと」です。
肝斑のメラノサイトは刺激に対して過敏で、強い照射で逆に活性化してしまうことがあります。
弱い出力で、丁寧に、間隔を守って繰り返す——この地道なアプローチが肝斑には合っています。
レーザートーニングとピコトーニングの違いはパルス幅です。
レーザートーニングがナノ秒単位であるのに対し、ピコトーニングはさらに短いピコ秒単位での照射になります。
熱による肌へのダメージが少ないぶん、ピコトーニングの方が色素沈着リスクを抑えやすいとされています。
その代わりに、メラニン色素への反応も落ちます。
トーニングは基本的に複数回の治療が必要です。
通常、月に1回程度の間隔で5〜10回以上が目安になりますが、個人差があります。
1〜2回で劇的に変わるものではないことは、最初にお伝えするようにしています。
個人的には、トーニングを希望されるなら、よっぽど濃い肝斑がない限りは、ピコトーニングよりもレーザートーニングの方を推奨します。
なお、当院の予約メニューにある『ピコデュアル』は、ピコトーニングとピコフラクショナルを組み合わせた照射です。肝斑や薄いシミのトーンアップにピコトーニングで対応しながら、毛穴・肌質改善にはピコフラクショナルでアプローチする、二段構えの治療です。くすみや色素沈着が気になりつつ、肌質の底上げも同時に図りたい方に向いています。
同じく予約メニューにある『ジェネシス+トーニング』は、ジェネシス(ロングパルスNd:YAGレーザー)とレーザートーニングを組み合わせた照射です。
ジェネシスは真皮を穏やかに温めることで赤み・毛穴・くすみを改善し、肌のトーンを整える効果があります。
これにトーニングを重ねることで、肌の底上げと色素へのアプローチを同時に行います。
肝斑がある方、くすみや赤みが気になる方、肌全体の質感を改善したい方に向いている組み合わせです。
ダウンタイムがほぼなく、定期的なメンテナンスとしても使いやすい治療です。
ルビーフラクショナルレーザー
──肌ごと底上げするアプローチ

ルビーフラクショナルレーザーは、694nmの波長を持つレーザーをフラクショナル(点状)に照射する治療です。
メラニンへの親和性が高いルビーレーザーを、スポット照射のように一点集中ではなく、微細な点の集合として肌全体に当てることで、シミの改善と肌質の底上げを同時に図ります。
そばかすや薄く広がった老人性色素斑、肌のくすみ感など、広範囲の薄いシミや色素に対して効きやすい治療です。
スポット照射よりはダウンタイムは短いですが、肌の赤みや乾燥感が数日続くことはあります。
肝斑へのニードルRF
(ポテンツァ・サーマニードルEvo)
──レーザーではないアプローチ

肝斑の治療といえばトーニングが主流ですが、当院ではニードルRF(マイクロニードルによる高周波治療)という選択肢も提案しています。
ポテンツァとサーマニードルEvoがこれにあたります。
ニードルRFは、極細の針を肌に刺してその先端から高周波エネルギーを照射する治療です。
レーザーと異なり、表皮のメラニンに直接作用するわけではありません。
真皮層への熱刺激によってコラーゲンのリモデリングを促しながら肌環境を整え、結果として肝斑が落ち着いてくる——そういう仕組みで働きます。
肝斑に対するニードルRFの有効性は、まだエビデンスの積み上げ途上の分野ではありますが、トーニングへの反応が乏しい方や、ダウンタイムを許容できる方に対して選択肢のひとつとしてお伝えしています。
CO2レーザー
──脂漏性角化症・ホクロも含むシミ取り放題

CO2(炭酸ガス)レーザーは、組織を蒸散させることで病変を除去するレーザーです。
盛り上がったシミである脂漏性角化症や、ホクロの除去にも対応できます。
当院では、シミ・脂漏性角化症・ホクロをまとめて対象にしたシミ取り放題プランをご用意しています。
顔に多数のシミやイボがある方に対して、数が多くなるほど割安になる形で提供しており、九州・福岡でもいち早くこのプランを導入したクリニックのひとつです。
現在は毎日5名以上の方がこのプランで来院されています。
ただし、ホクロの除去については5mmを目安としています。
それ以上の大きさのもの、形や色に不整があるものについては、前述のとおり保険診療の皮膚科にご紹介する判断をすることがあります。
CO2レーザーによる治療後は、照射部位が一時的に黒くなり、かさぶたができます。
日焼けを避け、丁寧な保湿とUVケアが回復を左右します。
色素沈着(PIH)への対策
——ガウディスキンセラピューティック
シミ治療の後に「前より黒くなった」と感じる時期がある。
これは多くの場合、炎症後色素沈着(PIH)です。
シミが取れるまでの過程で避けがたい反応であることは前述しましたが、
この色素沈着をそのまま放置するかどうかで、最終的な仕上がりが大きく変わります。
なぜ色素沈着が残るのか

スポット照射でシミにレーザーを当てると、メラニンが破壊されて一度は色が薄くなります
ただその過程で皮膚に炎症が起き、その炎症刺激に反応したメラノサイトが再びメラニンをつくり始める——これがPIHのメカニズムです。
日本人の肌はこの反応が出やすく、かさぶたが剥がれてしばらくしてから「じわっと茶色くなってくる」という経過をたどります。ここをどう乗り越えるかが、シミ治療の結果を左右します。

当院が使うガウディスキンセラピューティック

当院では、レーザー治療後の炎症後色素沈着に対して、ガウディスキンセラピューティックを使用しています。
ガウディスキンセラピューティックは、日本人医師が開発した色素沈着・メラニン抑制に特化したスキンケアラインです。
背景にあるのは、ゼオスキンヘルス(ZO Skin Health)への問題意識です。
ゼオスキンは世界的に評価の高いメディカルスキンケアブランドですが、その処方は日本人の肌には刺激が強すぎるケースがある。
その課題を危惧した日本人医師が、日本人の肌に合わせた処方として作り上げたのがガウディスキンセラピューティックです。
単なる美白ケアではなく、炎症後のメラニン産生を抑える成分を組み合わせた処方で、レーザー治療後のダウンタイムケアとして使いやすい製品です。
当院ではスポット照射後、とくにPIHが出やすいと判断したケースに対して積極的にご案内しています。
実際、当院でスポット照射を受けた方のおよそ半数がガウディスキンセラピューティックを術後ケアとして使っています。
塗り方・使うタイミング・継続期間については、施術後にご説明します。

ガウディスキンセラピューティックだけで完結するわけではない

ただ、知っておいていただきたいことがあります。
色素沈着への対策は、外用剤だけで解決するものではありません。
並行して重要なのが紫外線対策と、トラネキサム酸などの内服です。
紫外線を浴びることで色素沈着は確実に悪化します。
せっかくの治療後に日焼けをすると、PIHが長引くどころか、もとのシミより濃くなるリスクもある。
ガウディスキンセラピューティックは、そうした総合的なPIH対策の中の「外用アプローチ」として位置づけています。
内服・日焼け止め・外用剤——この三つが揃ってはじめて、PIHへの対策として機能します。

トラネキサム酸の役割
シミ治療において、トラネキサム酸は地味ですが外せない薬です。
レーザーのような即効性はない。
ただ、継続して飲むことで肝斑を薄くし、レーザー後の色素沈着を抑え、治療全体の底上げをしてくれる。
そういう役割を担っています。
そもそもトラネキサム酸とは

トラネキサム酸はもともと止血薬・抗炎症薬として使われてきた薬です。
手術後の出血抑制や、のどの炎症を抑える薬として長く使われてきた実績があります。
その使用患者の肌が白くなるという報告が積み重なり、メラニン産生の抑制作用が注目されるようになりました。
現在は厚生労働省が肝斑に対する改善効果を承認しており、美容皮膚科では広く使われています。
作用のメカニズムは、プラスミンという物質の働きを抑えることにあります。
プラスミンはメラノサイトを刺激してメラニンをつくらせる作用があり、これが肝斑や色素沈着の悪化に関わっています。
トラネキサム酸はこのプラスミンの活性を抑えることで、メラニンの過剰産生にブレーキをかけます。
肝斑に対する効果
トラネキサム酸がもっとも効果を発揮するのは肝斑です。
内服を続けることで、通常2〜3ヶ月ほどから効果を実感される方が多く、肝斑が全体的に薄くなり、肌トーンが均一になってきます。
.jpg)
ただし、トラネキサム酸が効くのは肝斑と炎症後色素沈着です。
老人性色素斑やそばかすそのものには、ほとんど効きません。
「飲んでいればシミが取れる」という認識は正確ではなく、何に対して使うのかを理解したうえで活用することが大切です。
使い方と注意点
内服薬として処方する場合、通常1日2〜3回の服用が基本です。
継続して飲み続けることで効果が維持されるため、途中でやめてしまうと元に戻りやすい面があります。
注意が必要なのは、血栓症の既往がある方、ピルを服用中の方、妊娠中・授乳中の方です。
これらに該当する場合は使用できないか、慎重な判断が必要になります。

処方の際には必ず問診でご確認します。
市販の美白化粧品にもトラネキサム酸を含む製品がありますが、含有量が少なく、医薬品として処方するものとは作用の強さが異なります。
本格的な肝斑治療として使うなら、内服薬としての処方が基本です。
肌育という選択
——治療の前に土台を整える
シミ治療というと、レーザーでシミを取ることをイメージされる方がほとんどだと思います。
ただ、場合によっては「今すぐシミを取ること」より「まず肌の土台を整えること」が、長い目で見て正解になることがあります。当院ではこれを『肌育』と呼んでいます。

肌育とは何か
肌育とは、シミ取りのような即効的な治療に入る前に、肌の状態を整えるためのアプローチです。
具体的には、肌のバリア機能を回復させ、炎症を落ち着かせ、ターンオーバーを正常化させることを目的としています。
肌の土台が整っていない状態でシミ取りレーザーを行うと、色素沈着が出やすくなったり、回復が遅れたりすることがあります。
逆に、肌環境が整った状態でレーザーに臨むと、治療の反応が出やすく、PIHのリスクも下がりやすい。
「先に肌育を挟む」という選択が、結果的に治療の精度を上げます。
夏は肌育、秋冬にシミ取りというプランニング

シミ治療において紫外線は最大の敵です。
レーザー照射後の肌は色素沈着を起こしやすく、そこに紫外線が加わると悪化のリスクが跳ね上がります。
紫外線の強い夏場にスポット照射などの強い治療を行うことは、それだけでリスクが上がります。
そこで当院がお勧めしているのが、季節に合わせた治療設計です。
紫外線の強い春から夏にかけては、肌育を中心に行います。
肌のバリア機能を整え、トラネキサム酸の内服で肝斑やくすみをじわじわ改善しながら、肌をレーザーに備えた状態に近づけていく期間です。
そして紫外線が落ち着く秋口から冬にかけて、ピコスポットなどのシミ取り治療に入る。
このプランニングが、当院でシミ治療を受けられる方にとってひとつのスタンダードになっています。
「今すぐシミを取りたい」というお気持ちはわかりますが、お肌状態によっては「秋まで待ちましょう」とお伝えすることがあるのは、結果を出すための正直な判断からです。
肌育で行う具体的なメニュー例
トラネキサム酸
トラネキサム酸の内服は、肌育期間中も継続します。
肝斑の抑制と色素沈着予防を内側からサポートします。
水光注射(ハイコックス or 医師手打ち)
水光注射(ハイコックス or 医師手打ち)は、当院の肌育において中心的な役割を担う治療のひとつです。
ポリヌクレオチド(リジュラン・リズネ・プルリアルデンシフィアシリーズなど)やアミノ酸などを、直接肌に注入していきます。
ポリヌクレオチドはDNA断片由来の成分で、肌細胞を活性化し、バリア機能の回復や組織修復を促す作用があります。
こうして肌細胞そのものを元気にしておくことで、後のレーザー治療で生じる炎症反応がマイルドになりやすく、色素沈着のリスクを下げることにつながります。
スキンケアの見直し
スキンケアの見直しも肌育の一部です。
日焼け止めの徹底、摩擦を避けた洗顔、適切な保湿——これらはレーザー治療の効果を引き出す土台になります。
地味ですが、ここをおろそかにするとレーザーの結果が出にくくなることがあります。

院長コメント
Dr. 分山博文
日焼け止めの選び方・洗顔時の摩擦とシミの関係・スキンケア成分の正しい理解など、日常ケアについて詳しくは院長ブログに記載しています。
当院が得意とする組み合わせ
シミ治療は、単一の治療で完結することは少ない。
組み合わせをどう設計するかで、結果が大きく変わります。
当院として自信を持って出せる組み合わせを、正直に書いておきます。
肝斑がない方への得意技
──ピコスポット+ガウディスキンセラピューティック

当院がシミ治療でもっとも得意としている組み合わせが、ピコスポットとガウディスキンセラピューティックの併用です。
肝斑がない、あるいは肝斑の影響が少ないと判断できる方に対して、この組み合わせを軸に治療を組み立てることが多くなっています。
ピコスポットでシミにしっかり反応を出しながら、治療後の炎症後色素沈着(PIH)をガウディスキンセラピューティックで速やかに抑えていく。
シミを取る力と、その後の色素沈着を管理する力を同時に使うことで、「取れたけど色素沈着が長引いた」という結果を避けやすくなります。
これに加えてトラネキサム酸の内服を並行することで、PIHへの対策がさらに厚くなります。
ピコスポット・ガウディスキンセラピューティック・トラネキサム酸内服——この三本柱が、当院のシミ治療における基本的な組み立てです。
肝斑がある方への組み合わせ
──まず肝斑を落ち着かせることが先決

肝斑が確認された場合は、アプローチの順番が変わります。
肝斑が残った状態でスポット照射を行うと悪化するリスクがあるため、まず肝斑を落ち着かせることを優先します。
トラネキサム酸の内服とトーニング(レーザートーニングまたはピコトーニング)を組み合わせて肝斑を薄くしながら、肌の状態が整ってきた段階でスポット照射に移行するかどうかを判断します。
肝斑とシミが混在しているケースでは、どちらを先に・どの程度まで治療するかの設計が、結果を左右します。
一足飛びにシミを取ろうとしない。
それが遠回りのようで、結果的には一番早いです。
肌育を挟んだ中長期の設計
──まず肝斑を落ち着かせることが先決

前述の肌育と組み合わせた、季節をまたぐ中長期の治療設計も当院の得意とするところです。
春〜夏:トラネキサム酸内服+水光注射(ポリヌクレオチド・アミノ酸)で肌を整える
秋〜冬:ピコスポット照射+ガウディスキンセラピューティックでシミを取りにいく
この流れを1〜2シーズン繰り返すことで、肌全体のトーンが底上げされながらシミが少しずつ整理されていきます。「一度でスッキリ」ではなく、「肌を育てながらシミを減らしていく」という考え方です。
急ぎすぎず、肌の反応を見ながら進める。それが当院のやり方です。
シミの種類別・治療の選び方まとめ
ここまで読んでいただいた方へ、改めて整理します。
シミの種類によって治療の選び方が変わる——この一点が、シミ治療で最初に理解しておくべきことです。
以下はあくまで目安であり、実際には複数のシミが混在しているケースや、肌の状態によって最適な選択が変わることを前提にご覧ください。
| シミの種類 | 主な原因 | 見た目の特徴 | できやすい部位 | 主な治療法 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 老人性色素斑(日光黒子) | 紫外線の長年の蓄積 | 円形・輪郭明瞭・褐色〜濃茶 | 顔・手の甲・腕 | スポット照射(ピコスポット・Qスイッチスポット)、IPL、ルビーフラクショナル | 肝斑の混在がないことを事前に確認することが前提 |
| そばかす(雀卵斑) | 遺伝・紫外線 | 小さな斑点が散在・薄褐色 | 両頬・鼻 | IPL、ルビーフラクショナル、スポット照射 | 体質的に再発しやすいため、紫外線対策の継続が必須 |
| 肝斑(かんぱん) | 女性ホルモンの変動・紫外線・摩擦 | 境界不明瞭・左右対称・もやっとした褐色 | 頬骨〜目の下 | トーニング(レーザートーニング)+トラネキサム酸内服、ニードルRF | スポット照射は原則禁忌。照射すると悪化するリスクがある |
| ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) | 遺伝的要因(真皮へのメラノサイト迷入) | グレーがかった小さな点状・左右対称 | 頬骨〜目の下 | スポット照射(ピコスポット・ルビースポット)を複数回 | IPL・トーニングは無効。効果が出るまで半年〜1年以上かかる |
| 炎症後色素沈着(PIH) | ニキビ・傷・施術後の炎症 | 境界がやや不明瞭・薄褐色〜茶色 | 炎症が起きた部位 | トラネキサム酸内服、ガウディスキンセラピューティック、紫外線対策 | 焦って強い治療を重ねると悪化する。時間をかけて改善を待つことが基本 |
| 脂漏性角化症 | 老人性色素斑の進行・加齢 | 表面がざらつく・イボ状に盛り上がる・薄茶〜黒 | 顔全体 | CO2レーザー(シミ取り放題プラン対象) | 通常のシミ取りレーザーでは対応不可 |
| ホクロ(色素性母斑) | メラノサイトの集積 | 輪郭明瞭・やや盛り上がり・均一な色 | 顔全体 | CO2レーザー(5mmまで) | 5mm超・形や色に不整があるものは皮膚科へ紹介 |
| ※この表はあくまで目安です。同じ顔に複数の種類が混在するケースも多く、実際の治療方針は診察・肌診断(VISIA)をもとに個別に判断します。 | |||||
老人性色素斑(日光黒子)
.jpg)
もっとも多いシミ。
スポット照射(ピコスポット・Qスイッチスポット)が基本。
色が薄く広範囲に広がるものはIPLやルビーフラクショナルも選択肢になります。
肝斑の混在がないことを確認してから治療に入ることが前提です。
そばかす(雀卵斑)
.jpg)
IPLやルビーフラクショナルで広範囲に対応するか、気になる部位をスポット照射で対応するかを、ダウンタイムの許容度と相談しながら決めます。
再発しやすい体質のため、紫外線対策の継続が治療と同じくらい重要です。
肝斑(かんぱん)
.jpg)
スポット照射は原則禁忌。
トーニング(当院ではレーザートーニングを基本に)とトラネキサム酸内服の組み合わせが軸になります。
肝斑が落ち着いてきた段階で、混在する老人性色素斑へのスポット照射を検討します。
ニードルRF(ポテンツァ・サーマニードルEvo)を加える選択肢もあります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
.jpg)
IPLやトーニングでは効果がありません。
スポット照射(ピコスポットまたはルビースポット)を複数回、十分な間隔を空けながら繰り返す治療が必要です。
色素沈着が落ち着くのを待ちながら、1年単位で経過を見る覚悟が必要な治療です。
炎症後色素沈着(PIH)
.jpg)
レーザーで積極的に取りにいくより、トラネキサム酸内服・ガウディスキンセラピューティック・紫外線対策の三本柱で時間をかけて改善を待つことが基本です。
焦って強い治療を重ねると、さらに色素沈着を悪化させるリスクがあります。
脂漏性角化症・ホクロ

CO2レーザーによる除去が適応です。
シミ取り放題プランの対象になります。
ホクロは5mmを目安とし、それ以上の大きさや形・色に不整があるものは皮膚科へご紹介します。
どのシミか判断できない場合

まずはカウンセリングとVISIAによる肌診断をお受けください。
見た目だけでは判断が難しいケースも多く、診察を経てはじめて治療方針が決まります。
「自分のシミがどれに当たるかわからない」という状態でのご来院がほとんどです。
それで問題ありません。
予約の前に——自分のシミに合った施術の早見表
このページを読んでいただいてもなお、「結局、自分は何を予約すればいいの?」と感じる方もいると思います。
当院は施術名で予約をとっていただくシステムです。
目安として早見表を用意しましたが、これはあくまで入口の目安です。
診察でシミの種類を確認したうえで、当日に変更・追加をご提案することもあります。
| こんな悩みがある方 | 予約する施術名 |
|---|---|
| 茶色いシミが顔にある(老人性色素斑) | しみ・イボ・ホクロ取り |
| シミ・イボ・ホクロがたくさんあってまとめて取りたい | しみ・イボ・ホクロ取り |
| ホクロを取りたい(5mm以下が目安) | しみ・イボ・ホクロ取り |
| そばかすが広範囲に散らばっている | カスタマイザーIPL または ルビーフラクショナル |
| 頬のもやっとした色素が気になる(肝斑かもしれない) | VISIAカウンセリング または ピコデュアル または ジェネシス+トーニング |
| 頬にグレーっぽい点状のシミがある(ADMかもしれない) | しみ・イボ・ホクロ取り または ルビーフラクショナル |
| ニキビ跡・施術後の色素沈着(茶色み)が残っている | ピコデュアル または ジェネシス+トーニング |
| くすみ・薄いシミ・肝斑をまとめてケアしたい | ジェネシス+トーニング または ピコデュアル |
| 肝斑がある、ニードルRFも検討したい | サーマニードルEvo または ポテンツァ |
| シミ治療の前に肌を整えたい(肌育) | 水光注射(ハイコックス)または医師手打ちスキンブースター |
| 自分のシミが何かわからない、まず診てほしい | VISIAカウンセリング |

院長コメント
Dr. 分山博文
どの施術を選べばよいか迷ったときは、予約前に公式LINEでご相談いただくことも可能です。「自分のシミが何かわからない」という状態でのご来院がほとんどですので、遠慮なくお問い合わせください。
すでに通院中の方であれば、別の施術でご来院の際に気軽にご相談いただいても大丈夫です。看護師または医師が対応します。
シミ治療
についてのよくいただく質問
※質問をクリック(タップ)いただくと回答がご覧いただけます。
-
自分のシミがどの種類かわかりません。カウンセリングだけでも来院できますか?
-
もちろんです。「シミの種類がわからない」という状態でのご来院がほとんどです。
カウンセリングと必要に応じたVISIAによる肌診断を行ったうえで、どのシミにどの治療が適切かをご説明します。
ただし、カウンセリングのみのご予約でご来院いただいた場合、施術は後日改めてになります。
天神・福岡近郊にお住まいの方はもちろん、遠方からお越しの方もお気軽にご相談ください。
-
シミ取りレーザーは痛いですか?
-
スポット照射(ピコスポット)は、輪ゴムで弾かれるような瞬間的な痛みがあります。
範囲や部位によって感じ方は異なりますが、顔全体に数十発照射するケースでは、笑気麻酔をご用意しています。
痛みへの不安が強い方は事前にお申し出ください。
トーニングやIPLは、ほんのりとした温熱感が中心で、スポット照射より痛みは少ない印象です。
-
シミ取り後のかさぶたは、どのくらいで取れますか?
-
スポット照射後は、照射部位が黒くなりかさぶたができます。
自然に剥がれるまで1週間前後が目安です。
無理に剥がすと色素沈着が残りやすくなるため、自然に任せることが大切です。
剥がれた後しばらくは赤みやピンク色が残ることがありますが、徐々に落ち着いていきます。
-
シミ取りをしたら前より黒くなりました。失敗ですか?
-
多くの場合、炎症後色素沈着(PIH)です。治療の失敗ではなく、日本人の肌に出やすい一過性の反応です。
ただ、それが長引く場合や、肝斑を見落とした可能性がある場合は、治療方針を見直す必要があります。
他院でシミ取りを受けて色素沈着が気になるという方のご相談も受け付けています。
福岡市内・天神近郊の方はもちろん、他院での治療後に悩まれている方も、まずは診察にお越しください。
-
肝斑にレーザーを当ててはいけないと聞きました。当院ではどう対応していますか?
-
肝斑に強いスポット照射を当てると悪化するリスクがあります。
当院ではシミ治療の前にVISIAで肝斑の有無を確認し、肝斑がある場合はトーニングとトラネキサム酸内服を中心とした治療に切り替えます。
肝斑と老人性色素斑が混在している場合は、まず肝斑を落ち着かせてからスポット照射に移行するかどうかを判断します。
-
シミ取り放題とはどんなプランですか?対象は何ですか?
-
老人性色素斑・そばかす・ADM・脂漏性角化症・ホクロ(5mmまで)を対象に、顔全体のシミ・イボをまとめて治療するプランです。
数が多い方ほど割安になる設計になっています。
ただし肝斑・炎症後色素沈着は対象外です。
これらは種類が異なり、スポット照射では対応できないためです。
詳しくは料金ページをご確認いただくか、カウンセリングでご相談ください。
-
シミ治療の効果はどのくらいで出ますか?
-
スポット照射は、かさぶたが取れる1〜2週間後から改善が見えてきます。
ただし色素沈着が落ち着くまでには6~12ヶ月かかることがあります。
トーニングは5〜10回以上を重ねながら、数ヶ月単位で変化を確認していくものです。
肝斑の治療はさらに時間がかかります。
「1回で劇的に変わる」治療ではないことは、最初にお伝えするようにしています。
-
ホクロも取れますか?大きいホクロはどうなりますか?
-
5mmまでのホクロはCO2レーザーで対応しています。
それ以上の大きさのもの、形や色に不整があるものは、悪性の可能性を除外するために保険診療の皮膚科にご紹介しています。
美容クリニックで無理に取るべきではないと思っているためです。
-
妊娠中・授乳中でもシミ治療を受けられますか?
-
レーザー治療については、妊娠中はお断りしています。
授乳中については治療の種類によって判断が異なります。
また、トラネキサム酸の内服は妊娠中・授乳中には使用できません。
ご来院前に必ずお申し出ください。
-
体(腕・背中・デコルテなど)のシミ取りはできますか?
-
体のシミ取りレーザーは、当院では行っていません。体のイボ(脂漏性角化症)の除去はCO2レーザーで対応していますが、シミ取りについては別の理由からお断りしています。
理由は、体の肌は顔と比べて炎症後色素沈着(PIH)が格段に出やすく、かつ消えるまでに非常に時間がかかるという特性があるためです。
顔のシミ取り後には、レーザー照射後の色素沈着を抑えるためにガウディスキンセラピューティックなどのメディカルスキンケアを併用できます。
ところが体の場合、同様の対処法が現状では十分に確立されていません。
「取れたはいいが、色素沈着が何年も残った」という結果になるリスクが高く、責任ある治療として提供できないと判断しています。
体のシミが気になる方については、保険診療の皮膚科へのご相談をお勧めしています。

劇的変化より維持で差が出る
このページにはカッコいいことをたくさん書きました。
ただ、これだけ機械をそろえ、深谷先生や芝先生にサポートしてもらいながら毎日診ていても、ご満足いただけなかったケースはゼロではありません。
シミ治療は、やっぱり難しい。それは変わらない事実です。
ただ、適切な診断と治療の設計を丁寧にやることで、満足度を高めることはできる。
そこに向けて、これからも積み重ねていきます。
何のシミかを見極めて、今の肌の状態でどこまでできるかを判断して、リスクを伝えたうえで一緒に方針を決める。
このプロセスを丁寧にやることが、結果的に満足度につながると思っています。
毎日診ていても迷うケースはなくなりません。
だからこそ、開業以来ずっとご指導いただいている深谷先生をはじめ、信頼できる先生方に相談できる環境を大切にしています。
ひとりで抱え込まないことが、患者さんへの誠実さだと思っています。
「シミを取りたい」というご希望は、シンプルなようで、背景にある肌の状態はひとりひとり違います。
天神・福岡でシミ治療を検討されている方は、まず一度、診察にいらしてください。
その場で治療を決めなくても構いません。
また、当院がピコスポット+ガウディスキンセラピューティックの組み合わせを積極的に推奨しているのは、「取れた」で終わらせたくないからです。
シミが取れた後の色素沈着をいかに早く落ち着かせるか——この部分まで含めて治療だと思っています。
シミ取りに興味はあるけれど、「色素沈着が出たら怖い」「前に他院で悪化した」という方のご相談も多くいただきます。
そういった方ほど、丁寧に診察させていただきたいと思っています。
迷ったら、まず相談だけでも大丈夫です。公式LINEよりお気軽にご相談ください。
本施術ページの医師監修について
本施術ページは、施術内容・リスク・注意点について医師が医学的観点から監修しています。

分山 博文(わけやま ひろふみ)
医療法人茜会 理事長/美容皮膚科 トータルスキンクリニック院長(福岡天神院・松山院)
【監修コメント】
内科・外科を含む総合診療医として経験を積んだのち、美容外科・美容皮膚科へ転科。美肌・若返り・アンチエイジング治療を中心に、誠実な美容医療を追求してきました。
本施術は、肌質や症状によって効果の感じ方に個人差があります。
リスクやダウンタイムについて正しく理解したうえで、医師の診察を受けてから検討することが重要です。
院長プロフィール・経歴はこちら
院長:分山 博文(わけやま ひろふみ)
略歴
- 2007年 大学卒業後、市中病院にて内科・外科など総合診療に従事
大手美容クリニックにて院長 - 鶴舞公園クリニック及び複数の個人クリニックにて、美肌・若返り治療と美容医療のあり方を学ぶ
- 2021年 トータルスキンクリニック開院
専門分野
美肌治療/若返り治療/アンチエイジング/美容皮膚科・美容外科



