たるみ治療で後悔する人、しない人——何が違うんですか?

【院長ブログ】たるみ治療で後悔する人、しない人——何が違うんですか?(トータルスキンクリニック 福岡天神院、松山院)

※このブログは、診療の合間に交わした雑談をもとに書き起こしたものです。
表現の正確さよりも、そのときの空気感を優先しています。あらかじめご了承ください。

山田

先生、今日はたるみ治療の話を聞かせてください。

たるみですか。また急ですね。

いや、実は僕、以前に別のクリニックでたるみの治療を受けたことがあって。

そうなんですか。知らなかった。どんな感じでしたか、受けてみて。

ハイフっていうやつです。
でも、正直あんまり変わった気がしなくて。お金を払ったのに、なんか損した気分になって。

うーん。その「上がる」に対してどのくらいの変化を期待していましたか

そりゃ、見た目でわかるくらいは……。

そこの話を今日はしましょうか。

たるみ治療の効果は、地味です

トータルスキンクリニック分山院長がインタビューを受けている様子(トータルスキンクリニック福岡天神大名。松山。)

やっぱり、期待しすぎだったんですかね。

正直に言うと、切開リフト以外のたるみ治療って、基本的に効果は地味なんです。

見た目でわかるくらい劇的に変わるというより、たるみの進行にブレーキをかけるというイメージの方が近い。

ブレーキ、ですか。

そうです。今あるたるみをゼロにするというより、これ以上悪化させないための治療

続けていると、周りが老けていく中で自分はそんなに変わっていない、という状況を作れる。

でも一回受けて劇的に若返るかというと、そうはならない場合がほとんどです。

それ、最初に教えてほしかったですよ。

説明する側の責任ではあるんですけどね。

まあ「効果は地味です」と言って患者さんが集まるかというと、なかなか難しい現実もあって。

商売上、言いにくいということですか。

言いにくいというより、伝えにくいんですよ。「ブレーキをかける治療です」と説明しても、なかなかピンとこない。

たるみ治療にはどんな種類があるのか

そもそも、たるみ治療っていろいろありますよね。

ハイフ、高周波……他にも何があるんですか?

整理すると、切開リフト以外では大きく分けて、ハイフ高周波ソフウェーブショッピングリフト糸リフト注入系という感じですかね。

多いですね。それぞれ何が違うんですか?

ざっくり言うと、どこに何をするかが違います

ハイフは筋膜という深い層を超音波で引き締める。

高周波は脂肪層や真皮層に熱を入れてコラーゲンを促す。

筋膜って、よく聞きますけど、顔にもあるんですか?

あります。SMASといって、です。

たるみと深く関係していて、切開リフトもここにアプローチする治療なんですが……まあその話は今日は置いといて。

ソフウェーブは真皮層を強力に引き締める。

糸リフトは支えを物理的に増やす。

注入系は減ったボリュームを補う。

なんか、全部違うところに効いてるんですね。

だから「どれが一番いいか」という比較ができないんですよ。

顔の状態によって、何が不足しているかが違うので。

先生、ちょっと聞いていいですか。

ヒアルロン酸ってたるみに効くんですか?なんかシワに打つものだと思ってたんですが。

ヒアルロン酸はシワだけじゃなくて、たるみにも使います。

というか、一時期すごく流行ったんですよ、ヒアルロン酸でリフトアップするという考え方が。

へえ、そうなんですか。

ただ、これがなかなか癖のある話で。

ヒアルロン酸のリフトアップ、落とし穴がある

トータルスキンクリニック分山院長がインタビューを受けている様子(トータルスキンクリニック福岡天神大名。松山。)

癖のある話、というのは?

ヒアルロン酸って、意外と体内に残るんです。

分解されにくい製剤も多くて。で、やりすぎると顔がどんどん大きくなっていく。

大きくなる?上がるんじゃなくて?

上がることを期待して入れているはずなのに、気づいたら顔全体がパンパンになっていた、というケースがあるんです。

ヒアルロン酸でリフトアップを狙うなら、量と部位をかなり慎重に選ばないといけない。

それはこわいですね。どうしたらいいんですか?

溶かせばいいんですが、ヒアルロニダーゼという溶解剤を使うことになります。

ただ、長年かけて蓄積した量を溶かすのはなかなか大変で。

なんか、美容医療ってやることで逆に大変になる可能性もあるんですね。

あります。だから「やればいい」という話でもなくて。

ハイフも同じで、 

ハイフもですか。

これが結構、知られていないんですよ。

ハイフのやりすぎで、コケる

どういうことですか?

ハイフって、構造上、点状に高温になるんです。

ハイフって、なんかピッてなるやつですよね。音がする。

まあ、音はしますけど、そういう話じゃなくて。

その点状の高温が脂肪層に当たると、脂肪細胞が破壊されてしまう。

だから高頻度で繰り返すと、脂肪が減っていってコケてしまう

コケるって、頬がへこむ感じですか?

そうです。引き締まったというより、やつれた印象になってしまう。

本来たるみを改善したくて受けているのに、コケて老けた印象になったら本末転倒ですよね。

それって、どのくらいの頻度でやると起きるんですか?

年齢にもよります。たるみがしっかり出てきた年代の方なら半年に1回、まだたるみが軽度で予防目的に近いなら1年に1回くらいが目安ですかね。

効果が出ないからといって短い間隔で繰り返すのは、逆効果になりかねない。

知らないと、効果が出ないからってどんどん受けてしまいそうですね。

そうなんです。そこが怖いところで。

ソフウェーブも、頻度を守らないと

ソフウェーブっていうのも当院にありますよね。あれはどうなんですか?

ソフウェーブは真皮を強力に引き締める機械で、効果はしっかりあります。

ただ、これもメーカーから興味深い話を聞いたことがあって。

どんな話ですか?

1〜2ヶ月間隔で繰り返し施術を受けた医師の皮膚が硬くなって、後悔されたという話です。

メーカー側も、基本は6ヶ月空けてくださいと周知しているんです。

必要であれば3ヶ月後にリタッチはできますが、それ以上短い間隔はお勧めしないと。

皮膚が硬くなるって、触ったらわかるくらい?

そのくらいになるということみたいです。

実は僕自身もソフウェーブの効果を実感していて、もっと頻繁に受けたいという気持ちはあるんですよ。

ただ、この話を聞いてからは、半年は我慢しようと思っています。

先生も受けてるんですか。

受けてますよ。自分で試さないと患者さんに勧めにくいので。

ただ、良かったからといってすぐ次を受けるのは違う。

効果を感じているなら、なおさら次まで6ヶ月空けて、組織をしっかり回復させた方がいい。

糸リフトの後悔は、後戻りへの誤解から

糸リフトはどうですか?あれも後悔する人いますか?

います。ただ糸リフトの後悔は、ちょっと種類が違って。

どういうことですか?

糸は直後、しっかり上がります。だから効果は実感しやすい。

ただ、その後必ず後戻りが生じます。糸が組織に定着していく過程で、少しずつ戻っていく

どのくらいで戻るんですか?

素材や本数にもよりますが、数ヶ月から半年かけて少しずつ戻ります。「上がりっぱなし」ではないんです。

そういえば、知り合いが糸を入れたら顔がひきつれたって言ってたんですが、それはどういうことですか?

ひきつれは、糸が定着していく過程で一時的に出ることがあります。

ただ、それはまた別の話で……今日は後悔の原因の話なので、ひきつれについてはまた改めて。

あ、すみません。話がそれました。

で、後戻りの話に戻ると——「上がりっぱなしを買う治療」と思って受けると後悔する。

でも「」と思って受けると、満足度が変わってくる。

糸の後悔のほとんどは、期待値のズレから来ていると思っています。

説明の問題でもあるんですね。

大きいですね。うちでは後戻りがあることを最初に必ず伝えていますが、それでも「戻った気がする」とおっしゃる方はいらっしゃいます。

後悔する人としない人、何が違うのか

結局、後悔する人としない人って、何が違うんですか?

うーん、いくつかあるんですけど。

  • まず期待値の問題
  • それと、そもそも治療の選択が合っていたかどうか。
  • あとはやりすぎ

まあ、だいたいこの三つのどれかか、全部か、ですね。

やりすぎって、さっきの話ですね。ハイフとかソフウェーブとか。

そうです。一つの治療に偏ってやりすぎると、その組織に負担がかかって逆に変になっていく。

だから僕は、複数の治療を組み合わせて、それぞれの頻度を守りながら組み立てるようにしています。

でも患者さんからすると、効果がすぐ出てほしいから、頻繁に受けたくなるんじゃないですか。

そうなんですよ。効果が地味だから、もっとやれば出るんじゃないかと思ってしまう。

でも、たるみ治療は短期決戦じゃないんです。

じゃあ、どのくらいの気持ちで続けるのがいいんですか?

年単位で考えてほしいですね。

半年後、1年後に「周りより老けていない」という状況を目指す治療なので。

なんか、地味ですね。美容医療ってもっと派手なイメージがありましたけど。

地味なんですよ、本当に。

でも、その地味さを続けた人が数年後に差を感じる。そういう治療だと思っています。

でも、そういう注意点って、受ける前にちゃんと教えてもらえるもんなんですか?

本来は教えないといけないんですが……まあ、できていないクリニックも多いと思います。

美容医療も医療なので、どの治療にもデメリットはある

適切な間隔を守らないと、効果が上がらないどころかデメリットが飛躍的に大きくなることもある。

先生、最初からそう説明してくれれば、僕も後悔しなかったかもしれないですね。

……耳が痛いですね。うちも完璧にできているかというと、自信はないので。

先生がそう言いますか。

言いますよ。できていないことの方が多いので。

……なんか、今日は珍しくしんみりしましたね。

たるみの話をすると、だいたいこうなるんですよ。

まとめ

  • 切開リフト以外のたるみ治療は効果が地味。「ブレーキをかける」治療だと理解した上で受ける
  • ハイフは脂肪細胞を破壊するリスクがある。たるみが強い人は半年に1回、軽度なら1年に1回が目安
  • ソフウェーブは6ヶ月以上の間隔が推奨。短期間の繰り返しで皮膚が硬くなった報告がある
  • 糸リフトは数ヶ月から半年で後戻りが生じる。「上がりっぱなし」ではないことを前提に受ける
  • 後悔の原因は過度な期待・間違った治療選択・やりすぎの三つ。美容医療も医療である以上、頻度と適応を守ることが前提

医療法人茜会 理事長/美容皮膚科 トータルスキンクリニック院長(福岡天神院・松山院)

最後に ~ 院長ブログについて ~

本記事は、福岡・天神の美容皮膚科「トータルスキンクリニック」院長・分山博文が、日々の経験をもとに執筆しています。

上手な言い回しは苦手ですが、誠実な美容医療を届けたい気持ちは本物です。
だからこそ、言葉だけは自分で紡ぎたいと思っています。
ちょっと不格好でも、この文章が誰かにそっと届けば嬉しいです。