ボトックスはやめ時が怖い?打ち続けることへの正直な考え方

【院長ブログ】ボトックスはやめ時が怖い?打ち続けることへの正直な考え方(トータルスキンクリニック 福岡天神院、松山院)

※このブログは、診療の合間に交わした雑談をもとに書き起こしたものです。表現の正確さよりも、そのときの空気感を優先しています。あらかじめご了承ください。

山田

先生、今日はボトックスの話を聞かせてください。

【分山先生】

ボトックスですか。また急ですね。何か気になることでも?

山田

患者さんからよく聞かれるんですよ。「ずっと打ち続けて大丈夫なの?」って。

ああ、それは多いですね。「打ち続けると顔が変になるんじゃないか」って心配される方、結構いらっしゃいます。

山田

実際のところ、どうなんですか?

一言で答えるのが難しい話なので、順番に話しましょうか。最後まで聞いてもらえると、たぶんすっきりします。たぶん。

そもそもボトックスって何をしているのか

山田

まず基本から聞いていいですか。ボトックスって、シワに直接効くわけじゃないんですよね?

そうです。よく誤解されているんですが、ボトックスはシワそのものを消すわけじゃないんです。

筋肉の動きを抑えることで、シワが深く刻まれるのを先延ばしにする、というイメージです。

山田

先延ばし、ですか。

皮膚って、年齢とともにコラーゲンが減ってきますよね。若い頃は表情を作っても、皮膚がぱっと戻る。

でも、コラーゲンが減ってきた皮膚は、表情を作るたびに少しずつダメージが蓄積していくんです。

そのダメージの積み重ねがシワになっていく。だからボトックスで表情筋の動きを抑えると、ダメージが蓄積しにくくなります。

山田

要は、打っている間だけ効いているってことですね。

そうです。打つのをやめれば、効果も消えます。

魔法みたいに永久にシワが消えるわけじゃない。

これ、意外とわかっていない方も多くて。

山田

じゃあ、打ちすぎるとどうなるんですか?やっぱり変な顔になったりします?

なることはあります。ただ、「変になる」の中身をもう少し整理した方がいいと思っていて。これが結構、誤解されやすいところなので。

打ちすぎると顔が変になる、は本当か

トータルスキンクリニック分山院長がインタビューを受けている様子(トータルスキンクリニック福岡天神大名。松山。)
山田

どういうことですか?

たとえば、おでこのボトックス。眉毛を上げる癖がある方って結構多いんです。

で、ボトックスをしっかり打って眉毛が全然上がらなくなると、目が重く感じたり、二重幅が狭くなったりする。

「目が開かない」って訴えられる方もいらっしゃいます。

山田

それは困りますね。あの、先生、ちょっと聞いていいですか。

ボトックスって施術中、痛いんですか?患者さんにそれも聞かれることがあって。

痛みの話はまた別の機会にしましょう。今日は打ち続けることの話なので。

山田

あ、そうですね。すみません。

で、話を戻すと、目が開かない感覚とか二重幅が狭くなる感覚は、ボトックスの効果が切れていけば戻ります。

永続的な変化じゃない。あと、目尻のボトックスを強めに打った場合、笑ったときに目周りにシワがまったく出なくなって、「目が笑っていない」という違和感が出ることもあって。

山田

なんか、能面みたいな感じですか。

そう表現される方もいますね。ただこれも、効果が弱まれば消えていく話です。

だから「変になる」というより、「効きすぎている状態」と表現した方が正確かもしれません。

山田

要は一時的なもんだってことですね。

そうです。ただ、その一時的な違和感が数ヶ月続くのはしんどいですよね。

だから最初から打ちすぎない、というのが大事で。あと、もう一つ知っておいてほしいことがあって。

山田

まだあるんですか。

これが結構、盲点なんですよ。

代償性の変化という話

どこかの動きを止めると、別のところに影響が出ることがあります。

山田

え、そうなんですか?なんか、保険みたいな話ですね。別のところがカバーするというか。

うーん、保険とはちょっと違うんですよ。保険はカバーしてくれるからありがたいんですが、こっちは困る変化なので。

山田

あ、そうか。カバーしてくれるわけじゃないんですね。

たとえば目尻の動きをボトックスで抑えると、目頭の方にシワが出やすくなったりする

「代償性の変化」と言ったりします。

抑えられた部分を補おうと、別の筋肉が動くようになるんですね。

だから僕らは、その方の筋肉の動きや癖を見ながら、どこにどう打つかを考えます。一律に「おでこはここに何単位」という話じゃないんです。

山田

それ、患者さんに説明したら驚くでしょうね。

ちゃんと説明できていないことの方が多いかもしれませんけどね、正直。

皮膚が薄くなる、という心配について

山田

ボトックスを打ち続けると、皮膚が薄くなっていくって聞いたことがあるんですが、それはどうなんですか?

正直に言うと、これはまだ結論が出ていない領域なんです。

繰り返し打つことで筋肉が萎縮していくことは確認されていて、やめてからも影響が残るという報告もある。

一方で、皮膚そのものが薄くなるかどうかは、研究によって結果がまちまちで。

山田

じゃあ、わからないということですか?

うーん、そうですね。シワを放置することによる皮膚へのダメージは確かにある、とは思っています。

ただ、「ボトックスを打てば皮膚が守られる」と断言するのは言い過ぎかなと。

心配されている方には、「今の段階では明確な答えが出ていない」とお伝えするのが一番正直だと思っています。

山田

先生がそう言うと、逆に信頼できる気がしますね。

断言した方が聞こえはいいんですけどね。でも、わからないことはわからないと言わないといけないので。

エラボトックスの話

トータルスキンクリニック分山院長がインタビューを受けている様子(トータルスキンクリニック福岡天神大名。松山。)
山田

エラのボトックスはどうですか?あれも打ち続けて大丈夫なんでしょうか。

エラ、つまり咬筋のボトックスは少し話が違います。

咬筋を繰り返し抑えることで筋肉が萎縮してエラが小さくなる。

これ自体は狙い通りの効果なんですが、高頻度でやりすぎると、コケてげっそりした印象になってしまうことがある。

山田

あ、そういえば僕もエラが張ってるんですよね。気になってて。(自分のエラを触りながら)

……山田さんのはボトックスより、たぶん別の原因ですね。

山田

え、どういうことですか。

歯ぎしりとか食いしばりの癖はないですか。

山田

あ、言われてみれば。

まあ、それはまた今度。エラボトックスの話に戻りますが、頻度を守ることが大切で、打てば打つほどいいという話じゃないんです。

単位数だけで判断しないでほしい

山田

ボトックスって、SNSで「〇〇単位打った」みたいな投稿よく見ますよね。単位数が多いと危ないんですか?

これ、誤解が多いんですよ。単位数だけで危険かどうかは判断できません

山田

そうなんですか?

たとえば最近、広頚筋に100単位打ってトラブルが続出、みたいな投稿を見たことがあります。

でも広頚筋は首全体に広がる筋肉なので、打つ範囲が広ければ100単位はむしろ適正な場合もある。

当院では広頚筋ボトックスを、ボトックスリフトという目的で120単位程度打つこともありますが、トラブルはなく、満足度は高いです。

山田

え、120単位って多くないですか。

単位数だけ見るとそう見えますよね。ただ、もっと怖いのは単位数じゃなくて、打つ深さや部位を間違えることなんです。

少ない単位数でも、深さを間違えると大きなトラブルになることがある。量より打ち方の話なんです。

山田

じゃあSNSの「〇〇単位は危険」みたいな情報は、あまり真に受けない方がいいんですね。

単位数だけ切り取った情報はそうですね。打つ部位も範囲も深さも込みで判断しないといけないので。

打ち続けることへの考え方

山田

結局、ボトックスって打ち続けていいものなんですか?

僕は、打ち続けることで見た目の若々しさを維持していくものだと考えています。

シワが深く刻まれるのを先延ばしにし続けることで、積み重なるダメージを減らしていく。

山田

じゃあ、やめたらどうなるんですか。

やめれば効果は消えます。ただ、その時点での肌状態に戻るだけで、やめたせいで急に老け込むわけじゃない。

だから「やめ時がわからなくなって怖い」という心配はしなくていいと思います。

打ち続けるのも、どこかでやめるのも、どちらでもいい。

山田

先生、今日はなんか珍しく話がすっきりまとまりましたね。

…まとまってますかね。自分でもよくわからないですけど。

まとめ

  • ボトックスは「シワを消す」というよりも「シワが刻まれるのを先延ばしにする」もの
  • 打ちすぎによる違和感は出ることがあるが、効果が切れれば戻る
  • どこかの動きを止めると別の部位に影響が出る「代償性の変化」がある場合も
  • 皮膚が薄くなるかどうかは現時点では結論が出ていない
  • エラボトックスのやりすぎはコケ・げっそり感の原因になることがある
  • 単位数だけで判断しない。打つ部位・深さ・範囲の方が重要

医療法人茜会 理事長/美容皮膚科 トータルスキンクリニック院長(福岡天神院・松山院)

最後に ~ 院長ブログについて ~

本記事は、福岡・天神の美容皮膚科「トータルスキンクリニック」院長・分山博文が、日々の経験をもとに執筆しています。

上手な言い回しは苦手ですが、誠実な美容医療を届けたい気持ちは本物です。
だからこそ、言葉だけは自分で紡ぎたいと思っています。
ちょっと不格好でも、この文章が誰かにそっと届けば嬉しいです。