糸リフトは、たるみの引き上げと肌質の改善を同時に得られる施術です。ただし「どんな効果が、いつ、どのくらい続くか」は糸の素材や本数、もともとのたるみの程度で大きく変わります。効果の出方を左右する要素を知っておくと、カウンセリングの場で自分に合った施術内容を具体的に相談できるようになります。
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糸リフトで得られる3つの効果

糸リフトの効果は「引き上げ」だけではありません。施術によって得られる変化は大きく3つに分けられます。
たるみの引き上げとフェイスラインの改善
糸リフトの最も目に見える効果は、たるんだ皮下組織を物理的に引き上げることによるリフトアップです。糸に付いたコグ(小さな突起)が皮下組織に引っかかり、たるみの原因となっている脂肪や皮膚を元の位置へ戻します。頬のもたつき、ほうれい線の深さ、マリオネットライン、フェイスラインのぼやけなど、加齢で下垂した輪郭を切らずに整えられるのが糸リフト最大の特徴です。
切開リフトのように大きく皮膚を切る必要がないため、ダウンタイムが短く、日常生活への復帰が早い点もメリットです。
コラーゲン生成による肌質の改善
糸リフトには「引き上げ」とは別の効果があります。皮下に挿入された糸は、周囲の組織にとって異物にあたります。体はこの異物を取り囲むようにコラーゲンやエラスチンを新たに生成し、糸の周囲に線維組織が形成されることで肌のハリや弾力が向上します。
得られる変化は、小ジワの改善・毛穴の引き締まり・肌のツヤ感など、リフトアップとは別の領域です。
将来的なたるみの進行を緩やかにする効果
糸の周囲に形成されたコラーゲンの線維組織は、糸が体内に吸収された後も一定期間残ります。この線維組織が皮下の支持構造として機能するため、施術前と比べてたるみの進行スピードが緩やかになります。
糸リフトは「元に戻ったら終わり」という施術ではなく、施術前と比べてたるみにくい状態が作られるという意味でも価値のある治療です。繰り返し施術を受けることでコラーゲンの蓄積が進み、たるみにくい土台が段階的に形成されていきます。
糸リフトの効果はいつから実感できるか

糸リフトの効果は一度に完成するわけではなく、リフトアップと肌質改善では効果が現れるタイミングが異なります。
施術直後から1週間の変化
リフトアップ効果は施術直後から実感できます。ただし施術当日〜3日程度は腫れやむくみが重なるため、仕上がりのイメージとは少し異なる見え方になる場合があります。引きつれ感が出ることもありますが、これは糸が組織を引っ張っている正常な反応で、多くの場合1週間程度でなじんでいきます。
腫れが引いた1週間後あたりから、フェイスラインのシャープさやほうれい線の浅さを実感しやすくなります。施術直後に「引き上げすぎ」に感じた場合も、このタイミングで自然なラインに落ち着くことが一般的です。
1〜6ヶ月で現れる肌質の変化
コラーゲン生成による肌質改善は、リフトアップよりも遅れて現れます。糸の周囲で新たなコラーゲンが作られ始めるのは施術後1〜2ヶ月ごろからで、生成量のピークは施術後3〜6ヶ月です。この時期に肌のハリや弾力の向上、毛穴の引き締まりを感じる方が増えます。
施術直後の見た目だけで最終的な効果を判断するのは早く、半年程度のスパンで変化を見守ることで、リフトアップと肌質改善の両方の効果を正しく評価できます。
糸リフトの効果が続く期間と糸の素材による違い

糸リフトの持続期間を決める最大の要因は、使用する糸の素材です。素材ごとに体内での分解速度が異なり、それが効果の持続期間に直結します。
糸の素材ごとの持続期間の目安
糸リフトに使われる素材は主に3種類あります。
| 素材 | 特徴 | 効果の持続期間の目安 |
|---|---|---|
| PDO(ポリジオキサノン) | 外科手術の縫合糸としても使われる素材。柔らかく組織になじみやすい | 約1年〜1年半 |
| PLA(ポリ乳酸) | 硬めでリフトアップ力が強い。コラーゲン生成促進力も高い | 約1年半〜2年 |
| PCL(ポリカプロラクトン) | 吸収速度が最も遅く柔軟性に優れる。表情の動きになじみやすい | 約2年〜3年 |
PCL素材はゆっくり分解されるため持続期間が最も長く、その間コラーゲン生成が継続的に促されます。一方PDO素材は持続期間が短めですが、手術用縫合糸として長い使用実績がある安全性の高い素材です。
当院で取り扱う3種類の糸の特徴
糸リフトの効果は素材だけでなく、糸の構造によっても変わります。トータルスキンクリニックではTESSリフト・VOVリフト・PLCLスレッドの3種類の溶ける糸を取り扱っており、それぞれ位置付けが異なります。
| 項目 | TESSリフト | VOVリフト | PLCLスレッド |
|---|---|---|---|
| 素材 | PDO | PCL | PCL+PLLA |
| リフトアップ力 | +++ | + | +++ |
| 効果持続 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 12ヶ月 |
| 糸の吸収まで | 6ヶ月 | 24ヶ月 | 16ヶ月 |
| 向いているケース | フェイスラインのたるみを短期集中で引き上げたい方 | たるみ予防に重点を置きたい方、自然な仕上がり重視の方 | リフトアップと長期的な肌質改善の両方を求める方 |
TESSリフトはPDO素材で3Dメッシュ+トゲ状バーブの構造を持ち、しっかりとした引き上げが得られます。ZIG-ZAGテクニックによる折り返し挿入にも対応し、たるみのリフトアップに向く糸です。糸自体の吸収は6ヶ月程度と早めですが、その間に生成されたコラーゲンによる効果は吸収後も一定期間残ります。
VOVリフトはPCL素材で、モールディング技術によって糸とコグを一体化させた構造です。しなやかで表情の動きになじみやすく、施術直後のひきつれが起きにくいのが特徴です。リフトアップ力は3種類のなかでもっとも穏やかで、たるみの「予防」「肌質改善」に重点を置く方に向いています。
PLCLスレッドはPCLとPLLAの混合素材で、360度らせん状の3Dコグが組織を広く支えます。リフトアップ力が高く適応年齢の幅も広いことから、当院では患者様に選ばれる頻度が最も高い糸です。
効果を長持ちさせるためにできること
糸リフトの効果を長持ちさせるには、施術後のケアと日常生活の習慣が鍵になります。以下が日々意識したいポイントです。
- 施術後1ヶ月は顔のマッサージ・うつ伏せ寝・強い圧を避ける
- 日焼け止めを毎日塗り、紫外線対策を継続する
- 化粧水・乳液で肌の保湿を欠かさない
- 急激な体重の増減を避け、体重を安定させる
- 効果が残っているうちに追加メンテナンス施術を検討する
施術後1ヶ月は糸が組織に定着する大切な時期で、強い外力を加えると糸のずれやひきつれの原因になります。紫外線はコラーゲンを分解する最大の外的要因のため、施術で増えたコラーゲンを守るには日焼け止めの習慣が欠かせません。
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糸リフトの効果を高めるために知っておきたいこと

本数の決め方と効果の関係
糸リフトは挿入する本数によって効果の出方が変わります。一般的な目安は、片側3〜5本、両側で6〜10本程度です。
少ない本数でも、適切な挿入位置と方向を選べば十分なリフトアップが得られるケースもあります。逆に、むやみに本数を増やすと不自然な引きつれや凹凸のリスクが上がります。本数は多ければいいというものではなく、「どこに、どの方向で入れるか」という設計のほうが仕上がりへの影響は大きいのです。
糸リフトと他の施術との組み合わせ
糸リフトは単独でも効果を発揮しますが、HIFU(ハイフ)やRF(高周波)治療と組み合わせることで、より立体的なエイジングケアが可能です。糸リフトが「物理的に引き上げる」施術であるのに対し、HIFUやRFは「皮膚や筋膜層を引き締める」アプローチです。引き上げと引き締めの両方からアプローチすることで、単独施術よりも持続的な効果が期待できます。
ただし、組み合わせのタイミングや順序は慎重に判断する必要があります。糸リフト直後にHIFUを照射すると、糸に影響を与える可能性があるため、一定の間隔を空けることが一般的です。施術の組み合わせを検討する際は、それぞれの施術内容を理解した上で医師に相談することが重要です。
費用の目安と費用を左右する要因
糸リフトの費用を決める要素は大きく3つあります。最も影響が大きいのが糸の素材、次に本数、そしてクリニックごとの料金設定です。
素材別に見ると、PDO素材は分解が早い分、PCL素材より単価が低い傾向があります。PCL素材は分解速度が遅く持続期間が長いため、1本あたりの価格もPDOより高めに設定されていることがほとんどです。
| 比較項目 | PDO素材 | PCL素材 |
|---|---|---|
| 効果持続の目安 | 約6ヶ月〜1年 | 約1年(吸収まで2年) |
| 1本あたりの単価 | 比較的安価 (約1万〜2万円) |
PDOより高め (約1.5万〜3万円) |
| 年あたりのコスト | 持続が短い分、再施術が早くなる | 1回の単価は高いが、持続が長い分トータルコストは抑えられる場合がある |
PCL素材のVOVリフトは糸の吸収まで約2年と長く、コラーゲン生成も継続するため、「1年あたりいくらか」で計算するとPDO素材との差が縮まるケースもあります。費用だけで判断せず、持続期間も含めて比較することが大切です。
なお、糸リフトは自由診療のため公的医療保険は適用されません。
糸リフトの効果が出にくいケースと注意点

糸リフトの効果は肌の状態によって個人差があり、施術後のリスクも知っておく必要があります。ここでは効果が出にくいケースと、起こりうる症状への対処法を整理します。
効果を実感しにくい人の特徴
糸リフトは万能ではなく、効果の実感度に個人差があります。たるみが軽度で脂肪量が少ない方は、引き上げる対象が少ないため変化を感じにくいことがあります。逆に、たるみが重度で皮膚のゆるみが大きい方は、糸だけでは支えきれず効果が限定的になる場合もあります。
こうしたケースでは切開リフトやHIFUなど別のアプローチのほうが適していることもあります。
また、皮膚が非常に薄い方は糸の凹凸が表面に出やすく、仕上がりに影響する可能性があります。
施術後に起こりうるリスクと対処法
糸リフトは比較的安全な施術ですが、リスクはゼロではありません。施術後に起こりうる主な症状を整理します。
| 症状 | 発生の目安 | 対処法 |
|---|---|---|
| 腫れ・むくみ | 2〜3日がピーク、1〜2週間で回復 | 冷やす、激しい運動を避ける |
| 内出血 | 部分的に現れる場合あり、1〜2週間で消退 | メイクでカバー可能 |
| 引きつれ感 | 施術後1週間程度 | 自然に軽減する。数週間続く場合は受診 |
| 皮膚の凹凸 | まれに発生 | 医師の技術に左右される。改善しない場合は再診 |
数週間経っても引きつれや痛みが続く場合は、早めに施術を受けたクリニックに相談することが大切です。糸の位置を調整する処置が必要な場合もあり、放置することで症状が長引くことがあります。
糸リフトの効果に関するよくある質問

糸リフトは何歳くらいから受ける人が多いですか?
30代後半〜50代の方が多い傾向にあります。たるみが気になり始める時期に個人差がありますが、20代のうちは皮膚のハリが保たれているため糸リフトの適応にならないケースが多いです。
2回目の糸リフトは前回の糸が残っている状態で受けられますか?
受けられます。吸収糸は体内で分解されるため、前回の糸が残っていても新たな糸を追加することが可能です。前回の糸が作ったコラーゲン組織の上にさらにコラーゲンが蓄積されるため、回を重ねるごとにたるみにくい土台が強化されていきます。
糸リフトとHIFU(ハイフ)はどちらが効果がありますか?
糸リフトとHIFUはアプローチが異なるため、単純な優劣では比較できません。糸リフトは皮下組織を物理的に引き上げる施術で、フェイスラインの変化が明確に出ます。HIFUは超音波で皮膚深層や筋膜を加熱し引き締める施術で、全体的なタイトニングに優れています。
たるみの種類や求める変化によって適切な施術が異なるため、医師に現状を診てもらった上で判断することをおすすめします。
糸リフトの施術後、いつから仕事に復帰できますか?
デスクワークであれば翌日から復帰される方が多いです。腫れや内出血が気になる場合はマスクで隠せる程度であることが一般的です。ただし、人前に出る方の場合は、腫れが落ち着く1週間程度の余裕を見ておくと安心です。
まとめ
糸リフトの効果は「リフトアップ」「コラーゲン生成による肌質改善」「たるみの進行抑制」の3つです。施術直後にフェイスラインの変化が実感でき、その後3〜6ヶ月かけて肌のハリや弾力が向上していきます。
糸リフトでたるみを改善するかどうか迷っている方は、トータルスキンクリニックにご相談ください。たるみの程度・皮膚の厚み・期待する持続期間を踏まえて、糸リフトが適切かどうかを医師が見極めた上で、施術プランをご提案します。
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監修者情報
トータルスキンクリニック
松山院院長 分山博文
当院では、患者様にとって本当に必要な治療だけをご提案し、無理な勧誘は一切行わない方針を徹底しております。医学的根拠のある治療のみをご提供し、誠実な対応・継続可能な価格設定でお一人おひとりに合った最適な治療をご案内いたします。お肌のお悩みがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
経歴
- 2007年 医師免許取得
- 2017年〜2021年 湘南美容クリニック勤務。分院長を歴任
- 2021年 福岡天神地区にトータルスキンクリニック開院
- 2023年 医療法人茜会を設立
資格・認定
- 日本美容外科学会(JSAS)会員
【糸リフトに関する重要事項】
糸リフトは公的医療保険が適用されない自由診療です。
- 治療内容:体内で吸収される医療用の糸を皮下に挿入し、コグで組織を引き上げてたるみを改善する治療
- 治療期間・回数:施術は1回で完了。効果の持続は糸の種類により1〜2年程度。維持には定期的な再施術が必要な場合があります(個人差あり)
- 費用の目安:80,000円(4本)〜300,000円(20本)。クリニックにより異なります
- リスク・副作用:腫れ、内出血、痛み、引きつれ、つっぱり感、皮膚表面の凹凸、感染、左右差、糸の露出など
【使用する糸について】
- 当院で使用するTESSリフト・VOVリフト・PLCLスレッドは、いずれも医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。
- 未承認医療機器であること:TESSリフト・VOVリフト・PLCLスレッドは国内薬事承認を受けていません
- 入手経路:医師の個人輸入により入手しています
- 国内の承認医療機器等の有無:同一の性能を有する国内承認の医療機器はありません
- 諸外国における安全性等に係る情報:VOVリフトに使用されている素材PCL(ポリカプロラクトン)は、米国FDAで医療用素材として認可を受けています。TESSリフト・PLCLスレッドはそれぞれの製造国(韓国・中国等)で承認を受けています
- 副作用被害救済制度:万が一重篤な副作用が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の救済対象にはなりません










