目の下のシワには複数のタイプがあり、それぞれ原因が違います。乾燥が主因のシワと、筋肉の動きが刻んだシワ、皮膚のたるみによるシワでは、有効な対処がまったく異なります。保湿を丁寧に続けても変化を感じられない場合、シワのタイプと原因が合っていない可能性があります。
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目の下にシワができやすい理由

目の周りの皮膚は、体の中でも特に薄い部位です。顔の他の部位と比べても皮膚の厚みが薄く、皮脂腺も少ないため、皮脂による自然な保護膜が形成されにくく乾燥にさらされやすいという特性があります。
加えて、目の周りには眼輪筋という筋肉があり、まばたきや表情の変化のたびに一日を通して収縮と弛緩を繰り返しています。薄い皮膚が絶えず動かされることで折れグセがつきやすく、それがシワとなって刻まれていきます。紫外線や摩擦といった外的ダメージの蓄積も、コラーゲンやエラスチンの減少を加速させます。
「皮膚が薄い」「動きが多い」「乾燥しやすい」の三条件が重なることで、目の下はシワが生じやすい部位なのです。
目の下のシワの種類と、それぞれの原因

目の下のシワは大きく3つのタイプに分かれます。どのタイプかによって有効な対処法が異なるため、改善を目指す前にまず自分のシワの特徴を把握することが重要です。
乾燥ジワ(ちりめんジワ)
角質層の水分が不足することで、皮膚の表面に細かく不規則なシワが現れます。指で皮膚をそっと伸ばすと一時的に薄くなり、保湿をした直後にも目立ちにくくなるのが特徴です。
乾燥ジワは3タイプの中で最も初期段階に現れることが多く、早めに対処すれば改善が期待しやすいシワです。ただし、放置すると皮膚の弾力低下と重なって定着し、保湿だけでは戻りにくくなるため、浅いうちに対処することが大切になります。
表情ジワ
笑ったときや目を細めたときに深くなるシワです。眼輪筋の動きに沿って形成され、目尻に放射状に広がるいわゆる「カラスの足跡」が代表的ですが、目の下にも表情の動きに沿った線が生じます。
若い肌にはコラーゲンやエラスチンによる弾力があるため、表情を戻せばシワも消えます。しかし加齢とともにこの弾力が弱まると、筋肉が動くたびにつく折れグセが戻らなくなり、無表情でも線が残るようになります。鏡の前で笑ったときに深くなり、無表情に戻しても薄い線が残っていれば、表情ジワが定着しつつあるサインです。
たるみジワ
皮膚を支える真皮のコラーゲンやエラスチンが減少し、さらに頬や眼窩周囲の脂肪のバランスが変化することで、目の下の皮膚が支えを失って現れるシワです。頬のたるみに引っ張られて目の下の皮膚に余りが生じ、波打つような縦方向の折れ目として現れることもあります。
たるみジワは真皮や皮下組織レベルの変化が原因であるため、塗るスキンケアでの根本的な改善は難しいタイプです。加齢が主因ですが、急激な体重減少や長期間にわたる紫外線ダメージも進行を早めます。
自分のシワのタイプを確認する方法
実際には複数のタイプが混在していることも珍しくありません。以下の表で、自分のシワがどのタイプに近いかを確認してみてください。
| 確認方法 | 乾燥ジワ | 表情ジワ | たるみジワ |
|---|---|---|---|
| 指で皮膚を軽く伸ばす | 薄くなる | 薄くなりにくい | ほぼ変わらない |
| 保湿直後の変化 | 目立たなくなる | あまり変わらない | 変わらない |
| 笑ったときとの比較 | ほぼ同じ | 深くなる | もともと目立つ |
| シワの方向 | 細かく不規則 | 眼輪筋の動きに沿う | 縦方向の折れ目 |
乾燥ジワの上に表情ジワが重なる、たるみジワと乾燥が同時に進むなど、複合的な場合はそれぞれの原因に合わせた対処を組み合わせることが改善の近道です。
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セルフケアでできることと、その限界

セルフケアは万能ではありませんが、シワの種類によっては十分な効果が見込めるものもあります。重要なのは、「セルフケアが有効な範囲」と「それだけでは難しい範囲」を区別することです。
保湿ケアが効くのは主に乾燥ジワ
乾燥ジワに対しては、適切な保湿が有効です。洗顔後すぐに化粧水で水分を補い、その上からセラミドやスクワランなどの保湿成分を含むクリームで蓋をする手順が基本になります。
目元の皮膚は非常に薄いため、ケアの際に強くこすったり引っ張ったりすると、摩擦刺激がかえってシワを深くする原因になります。薬指の腹で包み込むように、力を入れずに塗ることを意識してください。
紫外線対策はすべてのタイプのシワに有効
紫外線(特にUVA)は真皮のコラーゲンやエラスチンを分解する作用があり、目の下のシワを長期的に悪化させる大きな要因です。UVAは曇りの日でも窓ガラスを通過して届くため、外出の有無にかかわらず日焼け止めを習慣にすることが推奨されます。
シワを「なくす」ケアではありませんが、今あるシワをこれ以上深くしないための防御として、紫外線対策はどのタイプのシワにも欠かせません。
表情ジワやたるみジワにはセルフケアだけで届きにくい
表情ジワの原因は眼輪筋の繰り返し動作にあり、たるみジワの原因は真皮・皮下組織の構造的な変化にあります。いずれも皮膚の表面からのアプローチでは根本的な改善が見込みにくく、一般的なスキンケアの守備範囲を超えています。
「保湿を徹底しているのにシワが変わらない」と感じる場合は、乾燥ジワ以外のタイプが関与している可能性があります。シワの種類の判断を含めて、美容医療の専門家に状態を確認してもらうことが次のステップになります。
目の下のシワを改善する美容医療の選択肢

「美容医療」と聞くと大がかりな手術を想像する方もいますが、目の下のシワに対する治療の多くは注射や機器照射など短時間で済む施術です。メスを使わず、当日からメイクや仕事ができるものも少なくありません。シワのタイプと深さに合った方法を選ぶことで、セルフケアでは届かなかった変化を実感しやすくなります。
ここでは大きく「筋肉の動きを抑える」「ボリュームを補う」「皮膚の再生を促す」「深部から引き締める」の4つの方向性に分けて紹介します。
表情ジワにはボトックス注射
ボトックス(ボツリヌストキシン注射)は、眼輪筋に微量を注入することで筋肉の過剰な動きを一時的に抑え、表情ジワを目立たなくする治療です。効果は施術後数日〜1週間程度で現れ始め、持続は3〜6ヶ月程度が一般的です。
※「ボトックス」はアラガン・エステティックス社の登録商標で、本来は同社のボツリヌストキシン製剤を指します。一般的にはボツリヌストキシン製剤全般の通称として広く使われているため、本記事でも慣用的な表記として用いています。
目の下への注入は涙袋や眼輪筋のバランスに影響しうるため、注入量と注入部位の見極めが仕上がりを大きく左右します。効果が切れた後は筋肉の動きが戻るため、維持には定期的な施術が必要です。
くぼみやたるみにはヒアルロン酸注射
目の下のたるみに伴う凹みやクマが目立つ場合には、ヒアルロン酸注射でボリュームを補う方法が選択肢になります。皮膚の下に製剤を注入し、内側から支えることでシワやクマを目立ちにくくします。
ただし目の下は皮膚が非常に薄いため、注入量が多すぎると不自然な膨らみや透けて見える青み(チンダル現象)が生じるリスクがあります。少量ずつ仕上がりを確認しながら慎重に注入する手技が求められる部位です。
皮膚のコラーゲンを増やすニードル系治療
目の下の小ジワやハリの低下に対しては、皮膚に微細な刺激を与えてコラーゲンの産生を促す「ニードル系治療」が有効です。当院では3種類の機器を導入しており、シワの深さや肌の状態に応じて使い分けます。
| 機器名 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ダーマペン | 極細針で皮膚表面に微細な穿刺を行い、創傷治癒反応でコラーゲン産生を促す | 乾燥ジワ、肌全体のハリ回復、初めてのニードル治療 |
| ポテンツァ | マイクロニードルにラジオ波(RF)を組み合わせ、針先から真皮層に直接熱エネルギーを届ける | ダーマペンでは届きにくい中等度の小ジワ、皮膚の薄い目元 |
| モフィウス8 | 深達度の調整幅が広いRFマイクロニードル。真皮から皮下脂肪組織のレベルまで対応 | たるみを伴う目の下のシワ、皮膚の引き締めと組織のリモデリングを同時に行いたい場合 |
ダーマペンはピーリング剤と組み合わせた「ヴェルベットスキン」にすることで、ハリ感と質感の相乗効果が期待できます。ポテンツァはダーマペンより深い層からコラーゲン産生を促すため、目の下のような皮膚が薄い部位に適しています。モフィウス8は引き締め効果も併せ持つため、たるみが関与しているケースで特に選ばれます。
深部から引き締めるHIFU・RF系機器
たるみジワに対しては、皮膚の深い層に熱エネルギーを届けてコラーゲンの再生を促す治療が選択肢になります。メスを使わずに引き締め効果を得られる点が共通の特徴です。
| 機器名 | アプローチする層 | 特徴 |
|---|---|---|
| ニューダブロ | 筋膜(SMAS層)〜真皮深層 | HIFU。深部の筋膜に熱を集中させ、リフトアップ効果を促す |
| ソフウェーブ | 真皮層(深さ1.5mm) | HIFU。真皮層に均一な熱を届ける設計で、目元のような繊細な部位にも対応しやすい |
| エンブレスRF | 真皮〜浅い皮下組織 | バイポーラ(双極性)RF技術。HIFUとは異なるアプローチで、真皮から皮下組織を3次元的に引き締める |
HIFUは比較的ダウンタイムが短い傾向があり、仕事や外出への影響が少ないため、スケジュールの制約がある方にも取り入れやすい治療です。効果の持続は半年〜1年程度で、定期的なメンテナンスで状態を維持します。HIFUとエンブレスRFを組み合わせれば、深い筋膜レベルと浅い皮下組織の両方にアプローチする設計が可能です。
肌再生を促すリジュラン・ジュベルック
ここまでの治療が「外から刺激を与える」アプローチであるのに対し、リジュランとジュベルックは「肌自身の再生力を引き出す」アプローチの注入治療です。
リジュランは、サーモン由来のポリヌクレオチド(PN)を真皮層に注入し、肌の修復力を高めて小じわ・くすみ・乾燥を改善する治療です。特にリジュランi(アイ)は目元専用に開発された低粘度タイプで、目尻やまぶたの小じわ、くぼみ、くすみ、乾燥に対応します。4週間おきに3〜4回の施術で効果を実感しやすく、その後は数ヶ月ごとのメンテナンスが目安です。
ジュベルックは、ポリ乳酸(PDLLA)を主成分とする製剤で、注入後の穏やかな免疫反応をきっかけに肌自身がコラーゲンを新しく作り出す仕組みです。効果は1〜2年と長く持続し、目の下を含む全顔のハリ・毛穴・小じわの改善に使われます。
「肌の修復力を高める」のがリジュラン、「時間をかけてコラーゲンを増やす」のがジュベルックと使い分けるイメージです。
まとめ

目の下のシワは「乾燥ジワ」「表情ジワ」「たるみジワ」の3タイプに分かれ、それぞれ原因が異なるため、有効な対処法もまったく違います。保湿ケアが有効なのは主に乾燥ジワであり、表情ジワやたるみジワには美容医療によるアプローチが改善の近道です。
大切なのは、まず自分のシワのタイプを正しく把握すること。タイプに合わない対処を続けても、時間と費用が無駄になりかねません。何が必要で何が不要かを見極めることが、遠回りをしないための最初の一歩です。
目の下のシワの治療で迷っている方は、トータルスキンクリニックにご相談ください。医学的根拠に基づいた診察でシワのタイプを判断した上で、一人ひとりに合った治療プランをご提案します。
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監修者情報
トータルスキンクリニック
松山院院長 分山博文
当院では、患者様にとって本当に必要な治療だけをご提案し、無理な勧誘は一切行わない方針を徹底しております。医学的根拠のある治療のみをご提供し、誠実な対応・継続可能な価格設定でお一人おひとりに合った最適な治療をご案内いたします。お肌のお悩みがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
経歴
- 2007年 医師免許取得
- 2017年〜2021年 湘南美容クリニック勤務。分院長を歴任
- 2021年 福岡天神地区にトータルスキンクリニック開院
- 2023年 医療法人茜会を設立
資格・認定
- 日本美容外科学会(JSAS)会員
【目の下のシワ治療に関する重要事項】
- 目の下のシワ治療(ボトックス注射・ヒアルロン酸注射・ダーマペン・ポテンツァ・モフィウス8・HIFU・糸リフト・エンブレスRF・リジュラン・ジュベルックなど)は公的医療保険が適用されない自由診療です。
- 治療内容:注入治療・照射治療・マイクロニードル治療・糸リフトで、シワのタイプと程度に応じて選択
- 治療期間・回数:ボトックスは3〜6ヶ月ごと、ヒアルロン酸は6ヶ月〜1年ごと、HIFU・モフィウス8は半年〜1年ごとの施術が目安(個人差あり)
- 費用の目安:施術内容・使用製剤・施術範囲により異なります。詳しくはクリニックへお問い合わせください
- リスク・副作用:内出血、腫れ、赤み、むくみ、痛み、一時的な左右差、アレルギー反応、チンダル現象(ヒアルロン酸注射の場合)、皮膚の引きつれ感(糸リフトの場合)など
【使用する機器・製剤について】
ソフウェーブは2025年4月14日に厚生労働省の薬事承認を取得済み。ボトックスビスタ・ジュビダームビスタシリーズはそれぞれ国内承認を受けていますが、目の下への使用は承認された効能・効果以外の使用となる場合があります。
以下は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器・未承認医薬品です。機器:ニューダブロ、ポテンツァ・モフィウス8、エンブレスRF、ダーマペン。製剤:リジュラン、ジュベルック。
- 入手経路:医師の個人輸入により入手
- 国内の承認医薬品・医療機器の有無:機器は同等性能の国内承認機器なし。製剤は同等の作用機序を持つ国内承認品なし
- 諸外国における安全性等に係る情報:ポテンツァ・モフィウス8・エンブレスRFは米国FDA認可、ニューダブロは韓国MFDS承認、ダーマペンはFDA・CE取得。リジュラン・ジュベルックはMFDS承認(米国FDA・EU CEマーキングについては公的な確認情報を得られていません)
- 副作用被害救済制度:未承認機器・製剤の使用により重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の救済対象にはなりません









