日焼け止め、毎日塗らないといけないの?患者さんに聞かれたので、答えます

当院スタッフの山田が春休み中のこと。
何人かの患者さんから日焼け止めの話が出ました。
「毎日塗らなきゃいけないんですか?」「曇りの日は塗らなくていいですよね?」「家の中でも必要ですか?」
——それぞれ別の方からですが、聞きたいことの方向はよく似ていました。
結局、みなさん「そこまでしないといけないんですか」という気持ちなんだと思います。
まあ、その感じはわかります。山田が戻ったら「こういう話があったよ」と伝えるつもりでしたが、まとめて記事にしてしまいました。
以前、山田と「要するに日焼け止めが最強ってことですか」という話になったことがありましたが、あながち間違いでもない。
毎日塗らなきゃいけないんですか?


分山先生、日焼け止めって毎日必要なんですか? 強い日差しの日だけじゃダメですか?
結論から言うと、毎日塗った方がいいです。いちばん大きい理由はUV-Aですね。
紫外線には「A波(UV-A)」と「B波(UV-B)」の2種類があります。
UV-Bは日焼け——皮膚が赤くなるあの反応——を起こす波長で、夏の強い日差しに多い。「強い日差しの日だけ気をつける」という感覚は、UV-Bに限って言えばまあその通りです。
ただ、シミを作っているのは主にUV-Aの方です。
UV-Aは波長が長くて雲も窓ガラスも通り抜けやすく、晴れでも曇りでも、夏でも冬でも、一定量が届き続けます。
肌の深いところ(真皮層)まで届いてコラーゲンを壊していく。日焼けした感覚がなくても、UV-Aは毎日じわじわ積み重なっています。
「今日は日差しが弱いからいいか」と思いがちですが、UV-Aの話になるとそうはいきません。
UV-A と UV-B、何が違う?
- UV-B:日焼け(赤み)の主因。夏・強日差し時に多い。雲・窓ガラスでかなり遮られる
- UV-A:シミ・老化の主因。年間を通じて降り注ぐ。雲も窓ガラスも通り抜けやすい
- 「天気がいい日だけ塗る」では、UV-A対策が丸ごと抜ける
曇りの日はさすがにいいですよね?

曇りの日くらいはいいんじゃないですか。実際そんなに来てるんですか。
届いています。UV-Aは雲の影響を受けにくくて、薄曇り程度なら晴天時の60〜80%くらいは地表に届くと言われています。
厚い雲でも相当量は通ってくる。
UV-Bは雲に吸収されやすいので「曇りでも日焼けするの?」に対しては「しにくい」が正直なところですが、シミの話でいくとそうはならない。
曇りの日は塗らない、が習慣になると、その分だけ普通にUV-Aは浴びることになります。
家の中でも必要ですか?さすがにそれは…


外に出ない日まで塗るのは、やりすぎじゃないですか。
窓際にどれだけいるか次第です。
一般的な窓ガラスはUV-Bはほぼ遮りますが、UV-Aは通します。
窓から離れた部屋の奥にずっといるなら、省略してもそれほど問題はないと思っています。
ただ、窓際でデスクワークをしている、日当たりのいいリビングでよく過ごす、日常的に車を運転する——そういう方は話が変わります。
特に車の運転は意外と見落とされます。
フロントガラスは合わせガラスなのでUV-Aもある程度カットされますが、サイドガラスは通します。
「運転席側だけシミが濃い」という方がたまにいらっしゃいますが、あれは長年の積み重ねです。
終日、窓から離れた環境なら省略可能ですが、窓際が多い日は室内でも塗っておいた方が無難です。
SPFとPAは何を選べばいいですか?

選ぼうとしたら種類が多くて。「SPF50+」とか「PA++++」とか、違いがよくわかっていなくて。
SPFはUV-B、PAはUV-Aへの防御力の指標です。どちらも数字が大きいほど強い。国内の最大はSPF50+、最高はPA++++です。
僕は、迷うくらいならSPF50+・PA++++でいいと思っています。
少なくとも数字で後悔することは少ないです。
「軽い外出だからSPF20でもいいか」という発想はわかりますが、どうせ塗るなら強いものでいいと思います。
肌が白くなりすぎるとか使用感が嫌というなら話は別ですが、数字だけで選ぶなら最大値でいいです。
肌に合わない日焼け止めで荒れてしまって

前に使ってたものでかぶれたことがあって。だから強いものを使うのが怖くて。
よくある話です。日焼け止めは大きく「紫外線散乱剤(ノンケミカル)」と「紫外線吸収剤(ケミカル)」に分かれます。
散乱剤は酸化亜鉛・酸化チタンが主成分で肌への刺激が少ない。
吸収剤は防御力を出しやすいですが、敏感肌には合わないことがある。
かぶれたことがあるなら、まずノンケミカルタイプから試してみてください。
ただ、これも人によります。散乱剤でも合わない方はいる。
結局は、何本か試して「これなら大丈夫」というものを見つけるしかありません。
僕自身はプラスリストのものを日常的に使っていますが、家族旅行のときに持っていくのを忘れて現地の薬局で買うことが年に何度かあります。
で、たまに合わないものを引いてしまう。「やっぱり慣れたものを持ってくればよかった」と毎回反省するのですが、次もまた忘れる。
合うものが見つかったら切らさないようにしておく、旅行にも持っていく、それだけで余計な肌トラブルはかなり防げます。
塗り直しって本当にしないといけないですか?

仕事中は塗り直しが難しくて。朝塗ったら、それで一日もちませんか。
デスクワーク中心で屋外にほぼ出ない日は、朝の一回でそれほど問題はないです。
屋外で長時間過ごすなら、話が別です。
日焼け止めは汗・皮脂・摩擦で落ちます。
朝に高いSPFのものを塗っても、屋外にいれば数時間でかなり落ちます。
ゴルフをされる方には毎回言っています。4〜5時間、直射日光の下で汗をかき続ける。
朝に一回塗っただけでは、正直かなり心もとないです。
ラウンドの途中で一度は塗り直すことを前提にしてほしいです。
スプレータイプやスティックタイプはゴルフ場でも塗りやすいので、ラウンド用に一本持っておくといいです。
ウォータープルーフは塗り直さなくていい?落とし方は?


あの、そういえばウォータープルーフを使っているんですが、落とすのが大変で。クレンジングでないと落ちないですよね?
最近は洗顔料だけで落ちるウォータープルーフも増えています。
「ウォータープルーフ=クレンジングが必要」は以前のイメージで、今は洗顔料対応のものも普通にある。
買う前に表示を確認してみてください。日常使いなら、洗顔料で落ちるタイプの方が楽です。
ただ、どちらのタイプも落とし残しには注意が必要です。毛穴詰まりや肌荒れになります。丁寧に落とすのは大前提です。
あと、ウォータープルーフも塗り直しは必要です。
水や汗に強いとはいえ、摩擦や時間で落ちていく。「ウォータープルーフだから一日もつ」とはならないです。
ざっくりまとめると、こうなります。
日焼け止め、まとめると
- UV-Aは年中来ている。曇りの日も、室内(窓際)も対策が必要
- SPF50+・PA++++を基本に。迷ったら数字が大きい方でいい
- 肌に合うものを見つけたら、それを使い続ける
- 屋外活動・ゴルフ時は塗り直し前提。2〜3時間を目安に
- ウォータープルーフは「洗顔料で落ちるタイプ」と「クレンジングが必要なタイプ」がある。表示を確認する
面倒な日はあると思います。ただ、何もしない日が続けば、その分だけシミは増えやすくなる。それだけの話です。
気になることがあれば、診察のときにどうぞ。

分山 博文(わけやま ひろふみ)
医療法人茜会 理事長/美容皮膚科 トータルスキンクリニック院長(福岡天神院・松山院)
最後に ~ 院長ブログについて ~
本記事は、福岡・天神の美容皮膚科「トータルスキンクリニック」院長・分山博文が、日々の経験をもとに執筆しています。
上手な言い回しは苦手ですが、誠実な美容医療を届けたい気持ちは本物です。
だからこそ、言葉だけは自分で紡ぎたいと思っています。
ちょっと不格好でも、この文章が誰かにそっと届けば嬉しいです。






