最新の研究によると、成人男性の3人に1人は薄毛の悩みを抱えていることが分かっています。そしてその薄毛の原因のほとんどはAGA(男性型脱毛症)によるものです。昭和の時代にはAGAは治療することのできない病気と思われていましたが、平成、令和と時代が進むにつれ、次第に治療可能な病気になってきています。

当院ではAGAに対して積極的に治療を行っており、フィナステリドやデュタステリドなどの服薬治療から、自毛植毛や自己脂肪組織移植といった外科的治療まで、多くの治療法をご準備しています。

薄毛について

薄毛について

毛髪の成長

毛髪は皮膚の小器官である毛包から伸びています。毛包は、成長期、退行期、休止期という成長のサイクル(ヘアサイクル・毛周期)を繰り返し、そのほとんどは成長期です。成長期には毛母細胞という毛根の細胞が分裂を繰り返し、髪が太くなり伸びていきます。成長期は2年~6年続き、その後、退行期となります。退行期(2週間~4週間)では毛球と呼ばれる毛根部分のふくらみが小さく縮小しはじめます。退行期から休止期に移行すると毛球が完全に退縮し、毛髪が抜け落ちる段階となります。毛包の奥で新しい毛髪が作られ始めると、それに押し出されるように古い毛髪が抜け落ちます。この毛包の再生のサイクルが「ヘアサイクル・毛周期」と呼ばれるものです。

薄毛とは

どの程度髪の毛が少ないと薄毛と呼ぶのかに関して、ハッキリとした基準はありません。生まれつき毛量が少なく毛が細い人は、そうでない人と比べたら地肌が透けやすいのですが、一概に薄毛と呼べるかというとそうではありません。一般的には、生えることを期待していた部分に何らかの原因で十分な毛髪が生えなくなった状態のことを薄毛といいます。薄毛になるためには①毛が細くなる②毛の量が減る、のどちらかの条件を満たす必要があります。

男性の薄毛の代表格であるAGAは、初期には毛が細くなるだけの変化ですが、時間の経過とともに毛量の減少も伴ってきます。

男性の薄毛の原因・種類

薄毛の原因・種類にはいくつかあります。どういったものがあるのかご紹介していきます。

AGA(男性型脱毛症)

男性の薄毛のうち、その大半はAGA(エージーエー)と呼ばれるものです。AGAとはAndrogenetic-Alopeciaの略で日本語では「男性型脱毛症」と言います。
額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方からかもしくは双方から薄くなってきます。原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンと言われていますが、それだけが原因ではありません。
その悪玉の男性ホルモンは男女問わず存在していて、そのホルモンに対しての感受性の高さがAGAに影響しているのです。当院ではまず、患者様の現病歴や家族歴、治療歴などを聞かせていただき、AGAと診断した場合は治療方法などを説明させていただきます。

円形脱毛症

病原体から体を守ってくれる免疫機能に異常が発生し、毛髪を攻撃することで脱毛が生じるのが円形脱毛症です。典型的には頭部に円形の脱毛斑が生じますが、頭髪だけでなくほかの部位にも発生することもあり、複数個所が同時に脱毛したりすることもあります。

瘢痕性脱毛症

病気や怪我の影響で頭皮に傷(瘢痕)が残り、正常な毛包がなくなり髪が生えなくなった状態です。

炎症性皮膚疾患

脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患に合併し脱毛が生じることがあります。また、患部を搔きむしるなどの物理的な要因で薄毛になることもあります。

代謝内分泌疾患

代謝内分泌疾患が原因で薄毛や脱毛が生じることがあります。甲状腺機能低下症に伴うものが有名ですが、それ以外の疾患でも起こりえます。生え際や頭頂部などに限局せず、頭部全体に生じることが特徴です。

抗がん剤

抗がん剤投与後1週間~4週間後から一気に髪が抜けていきます。頭髪以外にも眉毛や睫毛など、全身の毛に脱毛の症状が出てきます。

抜毛症

精神的ストレスなどが原因で自分の髪を抜いてしまい、脱毛・薄毛状態になります。同じ部位の毛髪を繰り返し抜くことで毛包がダメージを受け、最終的には毛が生えなくなってしまいます。

その他

上記の原因以外にも梅毒などの感染症や遺伝性の皮膚疾患が原因で薄毛や脱毛症がみられることもあります。

AGAとは

AGA(男性型脱毛症)とは

AGAとはAndrogenetic-Alopeciaの略で、日本語では「男性型脱毛症」と言います。成人男性に多くみられる脱毛症で、薄毛の症状に悩む男性のほとんどはAGAが原因であるといわれています。

AGAの発症には男性ホルモンと遺伝が関与していることが分かっていますが、全てが解明されているわけではありません。AGAが発症すると、額の生え際や頭頂部のつむじ周辺部分から抜け毛が起こり、時間をかけて徐々に薄毛が進行していきます。そして、医療による治療を施さない限り薄毛の進行は止まりません。

AGAのしくみと原因

髪の成長には「ヘアサイクル(毛周期)」というものがあります。

通常のヘアサイクルには髪の毛が太く育つ「成長期」、髪の毛の成長が止まり毛包が退縮する「退行期」、毛包の活動が停止する「休止期」の3つで構成されています。さらに成長期は「早期」「中期」「後期」の3段階に分かれます。

AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉の男性ホルモンによって引き起こされることが分かっていますが、このDHTは男性ホルモンの一種であるテストステロンが「5α還元酵素」によって変換されることで生まれます。

そしてこのDHTが毛根にある男性ホルモン受容体「アンドロゲンレセプター」に結合すると、ヘアサイクルの成長期が短くなってしまうのです。このレセプターの有無や量が遺伝によって左右されています。

レセプターと結合したDHTは、生え際や頭頂部の毛髪に対して毛母細胞の細胞分裂を抑制してヘアサイクルの成長期を短くする働きがあります。

通常のヘアサイクルは2年~6年程度ですが、短くなったヘアサイクルは3か月~6か月程度になってしまいます。ヘアサイクルが短くなることで髪の毛は十分に成長できないまま抜け落ちることになります。

太く長い髪の毛に成長できず、細く短い髪の毛になることを「軟毛化(弱毛化や細毛化というクリニックもあります)」などといいます。このDHTによって引き起こされる軟毛化現象がAGAの主体であり、薄毛に繋がるわけです。

AGAにおける脱毛のパターン|ハミルトンノーウッド分類

AGAの進行は大きくは3つのパターンに分けられます。

  • 額の生え際から薄くなるタイプ
  • 頭頂部から薄くなるタイプ
  • 両方が同時に薄くなるタイプ

これらのタイプを進行度に応じて分類したものが「ハミルトン・ノーウッド分類」といわれるものです。この分類表はAGAの進行度の世界的な基準とされています。

国内でもこのハミルトン・ノーウッド分類の表が使われることが多いのですが、日本人の場合には頭頂部の薄毛の進行の割には生え際が進行しないタイプも存在します。

このタイプの場合には、知らない間に薄毛が進行していたというケースに繋がることが多いため、遺伝的にAGAが発症する可能性が疑われる場合には年に1回程度は医師の診察を受けておくのも良いかもしれません。

AGAは治るのか?

AGAの原因やメカニズム、進行のパターンなどはある程度解明されてきていますが、未だ不明な部分も多いのが現状です。そして、現在の医療ではAGAを「完治」させることはできません。

AGA治療の主流となっているフィナステリドやミノキシジルを中心とした薬物治療では、薄毛の進行を抑え、毛量を増やすことは可能です。しかし治療によってAGAが改善された状態を保つには、その治療を継続していく必要があります。

治療を中止すると再びAGAが進行してしまいます。

AGA・薄毛の治療

インターネットで調べると、AGAの治療法として数多くの治療が紹介されています。その中には、まったく効果が期待できないものから、おまじない程度の効果のもの、医学的に効果が証明されているものまで様々です。当院ではAGAの基本治療として薬物治療を、補助治療として自毛植毛や自家脂肪組織移植を採用しています。

  • 薬物療法
  • 自毛植毛
  • 自家脂肪組織移植

AGAの薬物治療

AGAには様々な治療法がありますが、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルを用いた薬物治療が医学的に効果が証明されている治療法です。

フィナステリド

「フィナステリド」はAGAの進行を抑える効果のある薬です。
詳細は別のページで述べますが、フィナステリドを内服することDHTの生成が抑制され、AGAによって短くなったヘアサイクルを正常な状態に近づけることができます。

デュタステリド

フィナステリドより強力にDHTを抑制する薬に「デュタステリド」があります。

フィナステリドやデュタステリドはDHTの生成を抑制することで短くなったヘアサイクルを正常に近づける働きがあり、AGAが発症して間もない方や遺伝的にAGAの進行が遅いと考えられる方は、これらの薬から治療を開始するのも良いでしょう。

AGAがある程度進行している方や、進行が早いと考えられる方は、DHTを抑えるだけでは薄毛が改善されません。そのため、発毛作用のある「ミノキシジル」の併用を行った方が良いと考えられています。

ミノキシジル

ミノキシジルはヘアサイクルの成長期を延長させる効果のある薬です。詳細は別のページで述べますが、ミノキシジルを使用することで成長期が延長され、AGAの影響を受けた毛髪が太く長く成長できるようになります。

ミノキシジルは外用薬として製品化されたものが有名(リアップX5など)ですが、内服することでその効果を高めることができます。

自毛植毛

ヘアサイクルは一生涯に繰り返される回数が決まっており、治療を開始したときのヘアサイクルの残りの回数が多ければ多いほど、つまり治療開始が早ければ早いほど大きな改善が期待できます。そして残念なことに、ヘアサイクルの残りが少ない毛髪は、薬物治療を行ったとしても大きな変化は期待できません。そういった方には自毛植毛手術も大変有効になります。

自毛植毛とは、後頭部に生えている毛髪を採取して生え際(M字部分)などの薄毛部分に移植する外科手術です。後頭部の毛髪は脱毛症の影響を受けないため、移植した毛髪は一生涯成長し続けてくれます

当院は、「一回の施術は500グラフトまで」という条件付きではありますが『高い発毛率・高密度』をお約束した自毛植毛を提供しております。

自家脂肪組織移植とは

薬物治療の効果を補うための補助治療として、成長因子を頭皮に直接注入する「育毛メソセラピー」と呼ばれる治療が有名です。しかし、育毛メソセラピーに関しては有効性を示す医学的根拠がほとんど存在せず、AGA専門クリニックのお金儲けの手段に成り下がっているのが現状です。そのため当院では採用を見送りました。メソセラピーに変わる治療として近年注目されているものに、自家脂肪組織の移植があります。

AGAを含む脱毛症の方は頭皮の皮下脂肪層が菲薄化し、その結果、毛包の成長が障害されることが知られています。自家脂肪組織移植は太ももから採取した脂肪細胞を専用の機械で細かくし、それを皮下に注射していくというものです。

自家脂肪組織移植のみでAGAが改善されるわけではありませんが、薬物治療と併用することでその変化を大きくすることが可能です。